宮崎県議会 > 2018-06-14 >
06月14日-03号

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  1. 宮崎県議会 2018-06-14
    06月14日-03号


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    平成30年 6月定例会平成30年6月14日(木曜日) 午前10時0分開議 ───────────────────   出 席 議 員(37名) 1番 武 田 浩 一 (自由民主党くしま) 2番 有 岡 浩 一 (郷中の会) 3番 重 松 幸次郎 (公明党宮崎県議団) 4番 来 住 一 人 (日本共産党宮崎県議会議員団)   5番 岩 切 達 哉 (県民連合宮崎)   6番 西 村   賢   (宮崎県議会自由民主党)   7番 後 藤 哲 朗 (  同  )   8番 二 見 康 之 (  同   ) 9番  日 高 博 之 (  同  )   10番 野 﨑 幸 士 (  同  )   11番 日 髙 陽 一 (  同  )   13番 蓬 原 正 三 (  同  ) 14番 図 師 博 規 (愛みやざき) 15番 河 野 哲 也 (公明党宮崎県議団)   16番 前屋敷 恵 美 (日本共産党宮崎県議会議員団)   17番 渡 辺   創 (県民連合宮崎)   18番 髙 橋   透 (  同  )   19番  徳 重 忠 夫 (宮崎県議会自由民主党) 20番  丸 山 裕次郎 (  同  )    21番 中 野 一 則 (  同  ) 22番 中 野 広 明 (  同  ) 23番 横 田 照 夫 (  同   )   24番 黒 木 正 一 (  同  )   25番 松 村 悟 郎 (  同  )   27番 井 上 紀代子 (県民の声)    28番 新 見 昌 安 (公明党宮崎県議団)   29番  田 口 雄 二  (県民連合宮崎)   30番 満 行 潤 一 (  同  ) 31番 太 田 清 海 (  同  )   32番 緒 嶋 雅 晃 (宮崎県議会自由民主党)   33番 右 松 隆 央 (  同  )   34番 山 下 博 三 (  同   )   35番  濵 砂   守 (  同   )   36番 坂 口 博 美 (  同  )   37番  星 原   透 (  同  ) 38番  井 本 英 雄 (  同  )   39番 外 山   衛  (  同  ) ─────────────────── 地方自治法第121条による出席者  知     事 河 野 俊 嗣  副  知  事 郡 司 行 敏  副  知  事 鎌 原 宜 文  総合政策 部長 日 隈 俊 郎  総 務 部 長 畑 山 栄 介  危機管理統括監 田 中 保 通  福祉保健 部長 川 野 美奈子  環境森林 部長 甲 斐 正 文  商工観光労働部長 井 手 義 哉  農政水産 部長 中 田 哲 朗  県土整備 部長 瀬戸長 秀 美  会 計 管理者 福 嶋 幸 徳  企 業 局 長 図 師 雄 一  病 院 局 長 桑 山 秀 彦  財 政 課 長 吉 村 達 也  教  育  長 四 本   孝  警 察 本部長 郷 治 知 道  代表監査 委員 高 橋   博  人事委員回事務局長 原 田 幸 二 ─────────────────── 事務局職員出席者  事 務 局 長 片 寄 元 道  事 務 局次長 上 山 伸 二  議 事 課 長 齊 藤 安 彦  政策調査 課長 日 髙 民 子  議事課長 補佐 濱 﨑 俊 一  議事担当 主幹 山 口 修 三  議 事 課主査 川 野 有里子  議事課主任主事 三 倉 潤 也──────────────────── △一般質問 ○議長(蓬原正三) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、昨日に引き続き一般質問であります。 ただいまから一般質問に入ります。まず、日高博之議員。 ◆(日高博之議員) 〔登壇〕(拍手) 皆さんおはようございます。自民党の日高博之でございます。 それでは、通告書に従い一般質問を行います。 初めに、人口減少対策についてであります。 本県では平成27年9月に、人口減少への対応と宮崎の地方創生を実現するために、人口の動向分析や将来の展望をまとめた宮崎県人口ビジョンと平成27年からの5年間における地方創生の取り組みの基本目標をまとめた、みやざき総合戦略を策定いたしました。 本県の人口は、1996年の117万7,000人をピークに年々減少し、国立社会保障人口問題研究所の推計によりますと、2025年から2030年の間の早い時期に、とうとう100万人の大台を割り込むという、大変厳しい現実がすぐそこまで迫っております。 宮崎人口ビジョンでは、「しごとを興す」「人を育てる」「まちを磨く」「資源を呼び込む」という4つの施策目標と、総人口や移住世帯数など、数値目標が示されております。しかし、こういった数値目標の数値上の変化の見通しは示されておりますが、そのことによって県民の生活がどう変わるのかといった、具体的なビジョンを伝えるまで至っていないような感じがいたします。 人口減少が県民生活に及ぼす影響を、わかりやすく県民に示し、みずからの課題として認識してもらうことが、本県最大の課題である人口減少対策への突破口になるのではないかと感じております。そのためには、将来起こり得る厳しい現実と向き合い、県庁だけが頑張るのではなく、県民や市町村と共通の認識を持ち、人口推計から予想される5年後、10年後の新しい地域社会の将来の姿を想定し、人口減少対策を進めることが重要と考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 以下の質問は質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 おはようございます。お答えします。 平成27年国勢調査の結果や、これをベースとした国立社会保障人口問題研究所の将来の人口推計が公表されました。大変残念なことに、本県の人口減少は、以前予測したものよりも早く進行している状況にあります。特に中山間地域におきましては、今後30年で大幅な人口減少が見込まれ、中核的な産業である農林水産業や建設業を初め、医療・福祉などの暮らしに必要なサービスの維持が困難になっていくこと、さらには、今のままでの集落の維持というものが非常に難しいのではないかと懸念しているところであります。 県におきましては、市町村ごとの人口減少の見通しを分析し、市町村と連携しながら、若者の社会減対策等を進める取り組みもスタートさせたところであります。地域の現状や抱える課題は、それぞれに異なりますので、県民の声に耳を傾け、各市町村との十分な連携のもとに、地域の将来像や今後の方向性について、さらに踏み込んだ議論を行うとともに、企業や各種団体の協力も得ながら、危機感を持って人口減少対策に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。〔降壇〕 ◆(日高博之議員) 今後30年で、大幅な人口減少が見込まれるということですが、2042年には、団塊の世代に加えて団塊ジュニア世代までもが高齢者になるという推計があります。私にはとても想像もつかないゆゆしき事態が、現実として待ち構えていると。知事におきましては、先見的な見地で、一歩も二歩も踏み込んだ人口減少対策のほう、ぜひよろしくお願いいたします。 次に、先日、日向・東臼杵市町村振興協議会が日向市で開催されました。協議会では、人口減少対策を共通のテーマに、地域の7つの課題について、圏域の各首長から、多岐にわたり貴重な御意見、御要望をいただきました。 例えば、放課後児童クラブの待機児童の問題では、人員不足で事業に取り組みたくても取り組めない。また、入郷地域の基幹産業である林業の作業班の人材不足が循環型林業に大きな影響を与えている。そして、地域医療を支える医師や看護師が生涯にわたり本当に確保できるのかなど、特に人口減少、少子高齢化が急速に進む入郷地域の住民の将来に対する不安は、本当にはかり知れないと実感をしたところであります。まさに、将来起こり得る厳しい現実が、既にこの地域には起こり始めているということであります。 日隈部長は福祉保健部時代には、山間部等における在宅医療サービスの提供体制の充実を図るため、関係機関との検討会の立ち上げや、新規参入の方策等を検討する取り組みに先鞭をつけられましたが、これは、雇用や新たな人の呼び込みなど、さまざまな分野に波及効果が期待できるすばらしい取り組みであったというふうに考えております。 人口減少が厳しい山間部を活性化させるためには、ある一つの取り組みだけで何かが成り立つわけでは決してありません。全体としての仕組みが必要であり、将来を見据えた取り組みの戦略を描くことが必要と考えますが、総合政策部長の見解をお伺いいたします。 ◎総合政策部長(日隈俊郎君) 県では、中山間地域振興計画に基づき、基幹産業であります農林業の振興や担い手確保を初めとして、新たな交通・物流の仕組みづくりによる集落の活性化など、さまざまな施策に取り組んでいるところであります。 しかしながら、お話にありましたように、特に人口減少の進行が著しい山間部において、地域の維持・活性化を図っていくためには、例えば、お話にありましたが、医療や介護の分野において新規参入を促し、サービスの確保だけでなく新たな雇用の創出につなげる仕組みや、農林業等の産業分野における業種の枠を超えた人材の活用、事業承継と組み合わせた移住の促進といった、これまで以上に柔軟な発想や視点が必要であると考えております。 今年度は、中山間地域振興計画の見直しも行ってまいりますので、このような点にも留意しながら作業を進めてまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 中山間地域振興計画の、中山間の「中」を抜くぐらい、「山間」部に集中してもらいたいなと思うんですよね。日隈部長の政策立案能力は、本当に卓越してすぐれているという評価が、我々議員の中でもあるわけですから、さまざまな分野に波及効果が出るような戦略づくりをしっかりとされますことを、よろしくお願いいたします。 現在、人口減少を初め、働き方改革や女性活躍、移住・定住対策など、県の複数の部局にまたがる課題が非常に多くなっております。県においては、高いレベルでの政策立案に基づき、施策の着実な推進を図るための総合調整機能がこれまで以上に求められているのではないかと思います。私は、そのような役割は総合政策部が担うべきだというふうに考えておりますが、総合政策部長の見解をお伺いいたします。 ◎総合政策部長(日隈俊郎君) 本県においては、お話にありましたが、社会経済情勢の変化を背景に、少子高齢化や人口減少を初めとするさまざまな課題が山積しており、各種施策を効率的・効果的に推進していくことが求められていると考えております。さらに、行政課題が特定分野にとどまらず、多重化・複雑化する中で、県の重要施策の立案とその総合調整を図る機能は、ますます重要になってきているものと認識しております。 このため、総合政策部といたしましては、より一層、効果的な施策を構築するため、将来を見据えた方向性を明確にし、庁内全体のまとめ役として政策的な議論を先導するなど、総合調整の役割をしっかり果たしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆(日高博之議員) 力強い言葉をいただきまして、総合政策部は、そう考えると、野球でいうとキャプテンみたいな存在でありまして、先ほど日隈キャプテンの答弁にもあったとおり、庁内全体のまとめ役ですね。これを、しっかり牽引していくんだと、そして河野県政をしっかりと前に進めていくんだということをよろしくお願いいたします。 次に、建設産業における人材確保等についてお伺いいたします。 建設産業は、地域経済を支え、活性化を促す社会基盤整備を担う基幹産業であり、また、風水害の抑制や災害復旧・対応など、県民の安全・安心を守る重要な産業であります。しかしながら、公共事業費の削減や受注競争の激化により、建設産業は疲弊し、現場の従事者の処遇改善が進まず、若年就職者の減少が危惧されております。 本県の建設業においても、技術者や技能者の担い手が減少し、従事者の高齢化が急速に進んでおります。建設業協会の会員数は、平成10年の957社がピークで、翌年から徐々に減少に転じ、平成29年には487社、約半分まで減少いたしました。また、30歳未満の従事者の割合は7.7%、一方、50歳以上の割合は53.9%、そして、何と言いましても、高校卒業者の離職率は58%で、平成29年度の高校卒業後の県内就職者は184名いますが、うち47名しか本県にとどまっていない。本当に危機的状況にあります。人口減少が加速し、子供の人口も減っている中、建設業を含め業種間での若者の争奪戦が各分野で繰り広げられていることを耳にいたします。 建設産業が、将来にわたってインフラ整備や災害への対応等「地域の守り手」としての役割を果たしていくためには、担い手確保は最優先に進めなくてはならないと考えますが、今後の取り組みについて、県土整備部長の所見をお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 議員御指摘のとおり、建設産業においては、担い手の育成・確保は喫緊の課題となっております。 このため県では、産業開発青年隊における建設技術者の育成を初め、高校生等の若い世代に建設産業の魅力を伝えるため、現場見学会の開催などに取り組んでおります。また、雇用環境の整備を図り、若者や女性に魅力のある職場づくりを進めるため、労務単価の引き上げや社会保険等への加入を促進するとともに、女性が働きやすい環境の整備に加え、週休2日工事や生産性向上を図るICT工事、さらには、新たに若年技術者を配置しやすい入札方式を試行しているところでございます。 今後とも、関係機関や建設業団体等と十分な連携を図りながら、建設産業の担い手の育成・確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 現在は、建設業協会において、県内の各高校を訪問して、建設産業に係る各種PR活動インターンシップを積極的に実施していると、協会からも意見交換で伺いました。意見交換の中では、「建設業における若者の就職者数をふやすために、県内外の大学、県内高校等就職担当職員との連携が重要ではないか」、また、今後の課題として、「担い手確保については、業界だけでの取り組みには限界があり、今後、行政や教育機関との共同で施策を展開し、スピード感を持って進めていくことが重要」との生の声をいただきました。 これまでの取り組みは一定の効果があって、県もこうした取り組みを支援してきたことには本当に感謝をしているところでありますが、実際には担い手不足に歯どめがかかっていないことから、担い手確保に向けた取り組みを、より一層強化する必要があるのではないかと考えております。 秋田県では、庁内に建設産業担い手確保育成センターを設置し、県が積極的に関与していくことで、産学官の連携を強化し、担い手支援の窓口を一元化することで、若者や女性の就職増につなげる取り組みを推進しております。 そこで、担い手の確保・育成に向けて、産学官の連携をより強化していく考えはないか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県では、若年技術者等の育成・確保に資するため、建設業団体が高校生を対象に実施するインターンシップを支援するなど、学校等と連携した取り組みを進めているほか、建設業団体等と連携し、県内の建設業者等を対象とした若年者の職場実習や、資格取得を支援する事業などを実施しております。建設産業の担い手の確保・育成に当たりましては、産学官の連携強化は重要でありますので、関係機関や建設業団体等と十分な連携を、より一層図ってまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 教育委員会と学校側が重要なところを担っているというふうに思いますので、ぜひしっかりと学校側と連携して、高校生が県内の建設業にスムーズに入っていけるような土壌づくりをお願いしたいと思います。 次に、若手技術者キャリアアップについてですが、即戦力人材の確保、そして、高校生の県内就職を後押しするために、県内建設産業に就職を希望している高校生等を対象に施工管理技士試験対策講座を開催し、在学中の学科試験合格を支援することなど、担い手確保に向けて、より一層強化する必要があると思いますが、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 現在、県では、建設業の魅力をPRするため、高校生を対象とした出前講座を実施しておりますが、資格取得を目的とした講座は実施していないところでございます。 議員御質問の、県内建設産業に就職を希望している高校生を対象とした施工管理技士試験対策講座の開催は、県内建設業担い手確保に大変有効であるとともに、若年技術者キャリアアップにもつながることから、処遇改善と、その後の離職防止のためにも効果的な対策であると考えます。 県といたしましては、他県の状況や学校等からの御意見なども踏まえながら、将来の建設産業を担うこととなる高校生に対する支援につきまして、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) キャリア教育とあるんですが、キャリアアップ教育として、次につなげていければなと思っておりますので、よろしくお願いします。 次に、県内工業系高校卒業生の就職状況については、先ほど御紹介いたしたとおりでありますが、工業系高校以外の卒業生についてはどうなっているのか。 私の周りには、工業系高校を卒業し建設業に就職した人よりも、普通科や私立高校を卒業して建設業に入社し、今でも活躍している人がいます。工業系高校以外であっても、建設業に就職したいという希望を持っている生徒は多いというふうに思っております。そこで、建設業に就職した、県内高校生の全体数と工業系高校以外の人数を、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 平成29年度の学校基本調査によりますと、平成29年3月に卒業した県内の高校生で、建設業に就職した人数は、全体で282名であり、そのうち、工業系高校以外の人数は77名であります。 ◆(日高博之議員) 工業系高校以外の人数が77名と、思ったより多いなと感じたわけでありますが、工業高校であるなしを問わず、建設産業の魅力を、関係機関と連携しながら全県的に広げていってもらいたいなと思います。 次に、ICT土工についてお伺いいたします。 農業、工業、建設業にかかわらず、ドローンに期待するものは非常に大きいと思いますが、いきなり現場工事とドローンのマッチングというのは、そう簡単ではないと思います。 ドローンに興味がある高校生はたくさんいるのでありますが、例えば、全ての設計自体を、ドローンを使って3次元設計にして、ICT建設機械などを使って施工できるかといえば、技術的にもコスト的にも、現段階では厳しい状況だと思います。 しかし、ここ何十年かで、長寿命化計画をやっていく中、橋梁の維持管理、公共構造物の関係につきましても、やはりドローンの活躍の場がどんどん広がっていきますし、国においても、ドローンを用いた工事の発注のボリュームも倍々の勢いで進めていくと聞いております。まさに、建設業界においても、第4次産業革命の転換期がそこまで来ているんだなというふうにうかがえます。 そこで、本県建設産業においても、ICTとAIの普及による仕事と雇用の環境変化を捉えた先見的な対応が必要と考えますが、どのような認識を持たれているのか、県土整備部長に元気な声でお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 建設産業においては、ドローンによる3次元測量等を活用したICT工事の拡大や、AIを活用したインフラ点検技術の開発などの取り組みが、国を中心として積極的に推進されております。 本県におきましても、昨年度からICT工事の試行を開始し、さらに、ことし3月からは、1万立方メートル未満の切り土・盛り土工事も対象とするなど、適用範囲を拡大したところでございます。また、昨年、県が開催しましたICT研修会では、官民合わせて90名を超える技術者の参加があり、関心の高さを確認できたところであります。 ICTやAIの活用は、生産性向上が図られ、ひいては、給与や休暇などの現場の労働条件が改善されるなど、若者が建設産業に魅力を感じることにもつながることから、今後とも関係機関や建設業界と十分に連携を図りながら、ICT工事等の活用拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) よろしくお願いいたします。 ドローンと現場のギャップというのは、キャリア教育で学校で教育委員会がドローンのことを教えても、現実に就職したらスコップを持たされたりするわけですから、この辺のギャップを埋めていかんと、なかなか厳しいというふうに思うわけです。だから、ICTの活用をしっかりとマッチングしてもらえればなと要望いたします。 次に、完全週休2日制の導入についてお伺いいたします。 本県では、働き方改革による労働環境の改善対応ということで、週休2日工事を確保すれば、間接工事である、共通仮設費率、また現場管理費率などの上乗せを実施するということであります。 しかし、前の議会で、我が会派の坂口博美先生の一般質問でもありましたが、現場には日給月給の人たちもたくさんいるんだと。そういう人たちは、仕事をしない日は給料が出ないし、いわゆる稼ぎが減るわけであります。また、給料も本体工事費から出ているので、間接工事の上乗せ分では対応できないということであります。 私は、そういったことをいかにして解決していくかというのは、実際に施工した業者の皆さんから聞き取りをしながら解決策を考えていく方法だと。まさに、そういったことが若者が建設業に入ってこない要因ではないかと。それを何とか解決しないことには建設産業の先はないというふうに思っております。また、建設産業というのは、技術者だけでなく、多くの技能者にも支えられている裾野の広い産業でございます。 そこで、若者や女性にとって魅力ある産業への転換を図るためには、産学官で協議する場を持つなど、県民の声を広く聞く機会が必要であると思いますが、県土整備部長の考えをお伺いいたします。
    県土整備部長瀬戸長秀美君) 建設産業の担い手の確保について、関係者などから幅広い意見を求めることは、大変重要であると認識をしております。 産学官連携で協議する場につきましては、例えば、産業、教育、行政などで構成される協議会などが考えられ、これらは、関係者の多様な意見が反映されるよい機会になるとともに、次代を担う建設産業の人材を、共同で育成する契機になり得るものと考えております。 県といたしましては、関係機関や建設業団体等と十分な連携を図りながら、女性が働きやすく、若者にとって魅力ある建設産業となるよう、産学官連携で協議する場も含め、幅広い意見を求める方法について検討してまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 建設業界のイメージ、これを変えないかんわけですね。特にこの魅力ある産業への転換、ここを建設業の方たちにもわかってもらわないかん。こういったことが大いに必要だというふうに思います。先ほど部長答弁でありましたが、幅広い意見を求める方法を、スピード感を持って構築していただきたいと思います。 次に、スポーツランドみやざきのさらなる充実についてお伺いいたします。 本県の強みであるスポーツを核とした取り組みは、スポーツランドみやざきの名のもとに、プロ野球7球団、サッカーJリーグ17チームと多くのプロスポーツキャンプが実施されています。また、2019年ラグビーワールドカップでは、イングランド代表の公認チームキャンプ地の内定、2020年東京オリンピックではドイツ陸上連盟の事前合宿の誘致が決定するなど、実績は日本一と言っても過言ではありません。官民一体となった受け入れ環境の整備も着々と進み、今後のインバウンド等の誘客増も大きく期待しているところであります。 しかし一方で、プロスポーツチームを有することでの実績はなく、よそから来たプロチームを見る機会はあっても、自分たちのプロチーム、いわばおらが県のプロチームはない県であります。本県には以前、バスケットボールのBJリーグで宮崎シャイニングサンズというクラブチームがありましたが、運営がうまくいかず活動を休止しております。また、Jリーグ参入を目指すチームは、テゲバジャーロ宮崎とJ.FC MIYAZAKIの2チームあるものの、現状はJFL、九州リーグで実力をつけている段階であります。特に、Jリーグにつきましては、全国でも9県、九州では本県だけがチームがありません。 先日、関係者から、Jリーグが宮崎に誕生すると、地域経済の活性化につながり、子供たちのサッカーに対する機運も上がり、競技力向上にも貢献できるなど、熱く語っていただきました。しかし、運営するのはとても大変で、リスクのあるチャレンジをしているのが現状であるとも言っておられました。そこで、県として、このような状況をどのように考えておられるのか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 地元に、Jリーグなどプロチームを有することは、競技力を含めたスポーツの振興はもとより、一体感の醸成や地域の活力づくりなど、さまざまな効果があると思っております。つくづく感じましたのは、私が以前赴任しておりました宮城県、昭和63年、平成元年当時は全くプロスポーツがなかったわけでありますが、その後、楽天、ベガルタ仙台、大変地域の盛り上がりにつながっているところであります。 本県では、長年、プロ野球やJリーグチームのキャンプを受け入れ、観光誘客や情報発信など多大な経済効果を生み出しておりまして、さらにこれに加えて地元チームの公式戦が開催されることになれば、新たな誘客を生み出すなど、スポーツランドみやざきの一層の推進にもつながるものと考えております。 その中で、御指摘のように、Jリーグを目指すチームとしてテゲバジャーロ宮崎、J.FC MIYAZAKIが誕生し、さまざまな活動が行われていること、さらに昨年、テゲバジャーロ宮崎が九州リーグからJFLへの昇格を果たしたことは、大変すばらしいことと受けとめております。 Jリーグチームをつくりますには、ホームタウンとなる地元自治体やスポンサー企業などによります安定的な運営・支援体制の確立、スタジアムの整備など、課題も数多くあるところであります。 先日天皇杯で、テゲバジャーロ宮崎もJ1チームに対して大変な善戦をした。大きな感動、また元気を与えていただいたところであります。私としましても、こういったチームのホーム初戦においては、キックオフセレモニーに参加したり、シーズン最初のキックオフパーティーなどに参加して激励するなど、いろんな形で支援に取り組んでいるところでありますが、関係者の機運が一層盛り上がるよう、いろんな形でエールを送ってまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 私も日向のサッカー協会の会長になりまして、野球からサッカーへとかいうことになっておりますが。この両チームから、そういうことで話を聞く機会がありまして、知事に対する期待はすごく大きいなということを一番感じました。 期待と言いましても、金銭的な支援の期待ではないんですよね。やはり県と連携して、サッカーで宮崎を盛り上げていこうという熱い思いがそこにはあるんです。 ほかの、例えば福島県とか、知事がマニフェストに挙げて、Jリーグをつくるぞと言って旗振り役をしたところもございます。また、県が直接関与してやろうというところもなんぼかあるわけであります。 お願いですが、せめて本県でも、ホームゲーム開催時には、「試合を見に行こうじゃないか」ということで、ホームページとか、または県広報紙を活用した誘客活動の支援はできないものか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) Jリーグチームの誕生のためには、もちろんチームの競技力の向上というのは大変重要でありますが、チームの運営体制の強化というのも必要でありますし、そこを支える地元のファンの熱意の盛り上がり、例えば入場者数も平均で2,000人以上ということが求められているわけでありまして、しっかりそれを支えていく必要があろうかと思います。 観戦者をふやすなど、チームを応援するサポーターをふやしていくことは大変重要だと考えておりますので、宮崎でホームゲームが行われる際は、観光情報サイトの「旬ナビ」や「みやざきスポコミュ」など、ホームページやSNSを使って県民へ応援を呼びかけるなど、積極的に対応し、機運の盛り上げに努めていきたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 積極的な御答弁ありがとうございます。いつの日か、知事が宮崎県初のJリーグチーム誕生の拳を上げるその時期、そのタイミング、その瞬間を見守っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、J3に加入するためのライセンス、基準、加盟条件はJ1に比べてかなり緩和されたものとなっていますが、設備関係や経済面での条件、さらにチーム力の強化など、先ほど知事が述べたとおり、多くの問題を抱えております。特に、チーム力の強化や、試合や練習会場の確保など、行政の協力を得なければならないこともあります。 将来的に活躍するジュニア選手を地元から発掘・育成し、競技力向上につなげていくことも大変重要だと思います。そこで、これまで県として、選手の発掘や競技力向上にどのように支援を行ってきているのか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 県では、本県選手の競技力向上に向け、県体育協会や競技団体、学校体育団体と連携をし、ジュニアから成年までの選手発掘や育成、強化など、一貫した対策を推進しております。 具体的には、小学生段階から2巡目国体や世界で活躍できる有望選手の発掘・育成を目指す「宮崎ワールドアスリート発掘・育成プロジェクト」に取り組んでおります。また、少年の競技力向上のため、高い競技力を有する中学校・高校の強化指定校や優秀選手を集めた合同合宿への支援を行っております。 このような取り組みの結果、平成24年度には、全国高等学校サッカー選手権大会において鵬翔高校が悲願の全国優勝を果たし、その中心選手であった北村知也選手がU?17日本代表に選出をされております。さらには、Jリーグで活躍する興梠慎三選手がリオデジャネイロオリンピックに出場するなど、本県から多くのすぐれた選手を輩出しているところであります。 ◆(日高博之議員) こういったすばらしい選手がいるのに、宮崎県に活躍の場がないために、どうしても県外に活躍の場を求めるしかないわけです。私も、そういった優秀な選手が、この宮崎でプロの選手としてプレーできる環境づくりを推進していきたいと思いますし、1日でも早い宮崎県初のJリーグチーム誕生を願いたいと思います。 次に、お倉ヶ浜海岸の砂浜の侵食についてお伺いいたします。 お倉ヶ浜は、全国屈指のサーフポイントとして、全国から注目を浴びてきております。昨年の世界ジュニアサーフィン選手権の開催につながるとともに、大会の成功により、世界的な知名度も上がってきました。また、日向市を訪れるサーファーも昨年は30万人、前年度比30%増とふえております。日向市ではサーフタウン日向基本構想を策定し、お倉ヶ浜をハード・ソフト両面から環境整備していくと聞いております。 このことから、将来的にお倉ヶ浜海岸の環境を維持していくことが望まれます。しかしながら、これまで台風等の影響を受け、砂浜が侵食されたことは何度もありました。1年くらいすると徐々に戻ってきていましたが、昨年9月の台風の影響で、赤岩川と吉野川、約1キロ間の海岸の砂が侵食され、新たな砂の堆積が見られず、なかなか以前の状態に戻らないことから、日向市、また日向市サーフィン連盟から、お倉ヶ浜海岸の環境の維持について、要望をいただいているところであります。 まず、お倉ヶ浜の砂浜の侵食の状況について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) お倉ヶ浜海岸のうち、赤岩川から吉野川の区間につきましては、砂浜の背後地が潮害防備保安林に指定されており、昭和40年代後半から50年代前半にかけて、防潮護岸が整備をされております。近年は、護岸の前に砂が堆積しておりましたが、議員御指摘のとおり、昨年の台風の波浪により侵食を受け、護岸が露出したり、浜崖ができるなど、砂浜が台風前の状態には戻っていない状況にあります。 ◆(日高博之議員) 赤岩川から吉野川間の状況は、部長答弁のとおり、一部侵食されているということですが、一方で、お倉ヶ浜海岸の南に位置する平岩港は、少なくとも平成10年ごろから毎年、地元の漁業者からの要望等によりしゅんせつしており、そのしゅんせつ土は、基本的にはお倉ヶ浜海岸から外に持ち出さず、隣接地などに養浜として置いていると聞いております。 せっかく養浜するのであれば、同じ海岸内の浜崖ができている赤岩川から吉野川周辺にしゅんせつ土を置いたほうが、海岸の砂が循環し、安定した砂浜を形成することができるのではないでしょうか。そこで、しゅんせつした砂の有効利用を図る上でも、平岩港でしゅんせつした砂を赤岩川から吉野川周辺に養浜し、循環形成をすることができないのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 平岩港につきましては、砂浜に隣接する港であり、砂が港の中に流入しやすいことから、港の安全な利用を確保するために、しゅんせつを行っております。しゅんせつした砂につきましては、お倉ヶ浜海岸内の養浜に利用することを基本として、砂浜の保全にも努めてきたところであります。しゅんせつした砂を赤岩川から吉野川周辺へ養浜するに当たりましては、今後、しゅんせつする際に、砂浜の侵食状況を確認の上、養浜する箇所や運搬方法を検討してまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) ぜひ運搬の方法を検討していただきたいと思います。お倉ヶ浜海岸で発生した砂は、今後とも外には持ち出さないということ、そしてお倉ヶ浜海岸区域内だけで移動を限定することが、今できる侵食対策じゃないかなと思います。 しかし、砂浜は年間通して変化するものであります。特に台風シーズンは侵食傾向にあって、基本的な対策が難しいと考えるわけでありますが、今後の取り組み方針・対応について、県土整備部長にお伺いいたします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 砂浜は、波浪の状況等で、季節によっても変化しますことから、まずは、現状を把握するための測量を実施するとともに、今後、状況の変化を注視していくこととしております。砂浜は、人命や資産を波浪等から防護するだけでなく、海岸利用や環境の観点からも非常に重要でありますことから、今後とも、お倉ヶ浜海岸の砂浜が維持できるよう、日向市などの関係者の皆様方と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 見守るということで、測量をすることは本当に有効なことだというふうに思います。そうすると一目瞭然どうなっているかわかるので、ありがたいなと思っております。 先ほどありました、日向市また関係団体と同じ方向で、宮崎海岸の件もありますので、そうならないように。日向で今の顔はサーフィンなものですから。これが砂浜が侵食されるとなると印象的に悪いものですから、しっかりその辺を民間団体とともにこの環境を維持していくと。ぜひよろしくお願いいたします。 次に、県立延岡病院の心臓脳血管センター(仮称)について、お伺いいたします。 県立延岡病院の循環器内科「心臓血管センター」は、平成15年に内科から独立し、心臓専門の診療科として、ことしで15年を迎え、県北地域で暮らす県民にとって、なくてはならない存在となっております。また、当科を代表する心臓カテーテル治療について、現在、県北地域で24時間対応可能な心臓カテーテル室を有するのは、ここ県立延岡病院のみとのことであります。宮崎県で発生する急性心筋梗塞患者の約25%、これが県北地区のほぼ100%に当たります。これが県立延岡病院に搬送されており、着実な治療件数を重ねているとお伺いしております。 そこで、県立延岡病院における心臓カテーテルの検査と治療の現状と課題について、病院局長にお伺いいたします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 県立延岡病院が実施しております心臓カテーテル検査や治療は、実績で見ますと、ここ数年、年間1,000件程度で推移しておりまして、九州内でも有数の実績となっているところでございます。 課題としましては、現在は、心臓カテーテル室が1室しかありませんので、救急患者が入ってきた場合には、あらかじめ予定されておりました検査や治療との調整を図る必要があるなど、患者やその家族に負担をかける状況にあります。また、現在は、ICUや手術室に隣接する3階フロアに設置をされておりますが、心筋梗塞等の救急患者の治療は、1分1秒でも早い処置が必要でありますことから、設置場所についても課題となっております。 このような課題に対応するために、今年度、1階にあります救命救急センターに隣接する場所に、心臓カテーテル室2室と脳血管造影室1室を備えた、仮称でございますが、心臓脳血管センターを整備することとしたところであります。 ◆(日高博之議員) 確かに、県立延岡病院は、今年度、心臓脳血管センターの増設が予定されており、平成30年度予算に盛り込まれております。 ところで、先月、厚生常任委員会の県北地区調査の際に、病院側からこういうことを聞きました。「現行装置は、一時期、装置の停止が複数ケース繰り返され、治療中に停止する重大インシデントが発生したことがある」と伺ったわけであります。大変危惧するわけでありますが、その内容について、病院局長にお伺いいたします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 現在の心臓カテーテル装置は、平成18年度に購入したものでありまして、病院からの報告によりますと、平成26年度に、治療中に装置が一時停止するという重大インシデントが1回発生しております。このときは、間もなく装置は再起動しまして、治療は無事に終了しましたことから、患者への影響はなく、重大事故には至らなかったものであります。 原因としては、装置の稼働率が高いために、十分なメンテナンス時間を確保できなかったため、装置を制御しますコンピューターシステムに不具合が生じたと聞いております。 なお、その後は、メンテナンス時間を十分確保しておりますことから、大きな不具合は発生していないところでございます。 ◆(日高博之議員) 治療中に停止したのは1回ということであり、患者に影響はなかったということ、また、それ以降不具合はなかったということで、とりあえず安心したところであります。 だけど、基本的には、こういう重大アクシデントは繰り返されたり―こういう紛らわしいことは、そうじゃなくてはっきり、情報というのを一本化してやることは、命を守ることにはすごく重要だというふうに思います。 今回、新たに心臓カテーテル室をふやし2室にするとともに、脳血管造影室1室を備えた心臓脳血管センターを本年度に整備し、来年4月に開所を目指す運びとなったことは、県北地区で暮らす県民のより一層の安全・安心を図る上で、大変ありがたいことだというふうに思っております。 しかし、2台設置される心臓カテーテル装置は、1基は新設されるものの、もう1基は既存のものを移設するということですが、平成18年度の機器の導入から年数も経過しており、もう10年以上ということですね。検査・治療の実績も多く、現場の医師からは、できるだけ早く新しい機器に更新してほしいとの要望を強くいただいたところであります。 県北地域住民のより一層の安全・安心の保障という観点からは、今後、急激に増加する見込みである循環器系入院患者への対応のため、2基とも新機器を導入すべきではないかと思うわけですが、どのようにお考えなのか、病院局長にお伺いいたします。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 県立病院における医療機器の導入や更新は、各病院の医療需要を踏まえました必要性を第一に、また収支見通しなどの経営的な観点も十分踏まえながら進めているところであります。 県立延岡病院の心臓脳血管センターの整備につきましても、このような観点から、心臓カテーテル装置を2台体制として、今後の医療需要に適切に対応できるよう充実を図ることとしております。また、2台のうち1台は新規購入し、もう1台については、現在の装置が定期的な保守点検等により適切に管理されておりますことから、引き続き使用することとしたところであります。 しかしながら、御質問にもありましたように、現在の装置は導入後、相当年数を経過しておりますので、利用者の方々の安心・安全をしっかり確保できるように、センターの設置後の稼働や保守点検の状況を見ながら、具体的な更新時期等について検討してまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 具体的に早く更新をしてください。よろしくお願いいたします。 利用者の安全・安心の確保、命にかかわることは、何よりも優先されなければならないことだというふうに思います。現場の意見を尊重して、早期の新機種更新を病院局長、前向きに、前向きにお願いいたします。 次に、山間部における在宅サービスの充実についてお伺いいたします。 先月、厚生常任委員会で、日之影町のサンルーム西臼杵事業所にお伺いし、西臼杵郡内での在宅介護の現状についてお伺いいたしました。 山間部における特徴は、都市部と違い、移動距離と時間がかかることや、五ヶ瀬とか奥深い地域になると、雪や大雨・台風時にはインフラ整備のおくれによる交通規制があり、迂回路もないこと、効率が悪く危険性を伴うケースが数多く発生するとのことを伺いました。五右衛門風呂もあれば、まき、また古民家が多いから縁が高いものだから、行ってみれば車椅子も入らん、そういった住宅が多いわけです。山間部での居宅サービスにおける厳しい実態を目の当たりにしたわけであります。 また、事業所運営についても、基本報酬に加え特別地域加算があるものの、採算面で厳しいと考えるが、県はその状況をどう認識されているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 県では、これまで、市町村との意見交換等を通じ、課題の把握や情報の共有に努めているところでございますが、その中で、山間部の居宅サービスは、利用者や人材の確保が困難であることや、移動距離が長いことなど、さまざまな経営上の問題があり、その運営は大変厳しい状況にあると伺っております。 私も、この3月まで環境森林部長として、何度も山間部に足を運ぶ中で、豊かな自然環境と伝統文化に触れる一方、生活インフラの整備のおくれや、人的資源の不足など、課題が山積していることを身をもって感じたところでございます。 このような状況や認識を踏まえまして、引き続き、山間部における居宅サービスの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) ありがとうございます。川野部長とは、環境森林部時代に、諸塚で蜂の子のさなぎとか幼虫とかを100匹単位で食べたことが、昨日のように思い出されるわけであります。その分、山間部の大変厳しい状況は、誰よりも把握されているというふうに、こじつけですが実感をしているところでございます。 そこで、地域包括ケアシステムの構築を図る上で、訪問看護体制の充実は大変重要になってくると思われます。現在、本県の訪問看護ステーションの空白町村は、美郷町、諸塚村、椎葉村、五ヶ瀬町、西米良村の5町村と聞いていますが、この空白町村における、訪問看護ステーションの提供体制の充実にどのように取り組んでいくのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 訪問看護サービスは、地域包括ケアシステムの構築を進める上で、在宅医療と介護をつなぐ大変重要な役割を担うことから、県ではこれまで、訪問看護ステーションの新規参入を促進するため、空白地域等を対象に、開設費用を支援する取り組みを行ってきたところでございます。 今年度はさらに、補助率を引き上げた事業を新たに行う予定でございまして、今後、広く公募により事業者を選定し、中山間地域においても運営可能なモデルの構築を目指すこととしております。あわせまして、この事業を検証することによりまして、介護報酬見直しを含めた事業者支援策についても、必要に応じ、国への要望を検討してまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 入郷、これは日之影もですが、入郷町村はもっと厳しい状況にあるかなと。常備消防も正直設置されていない。日本でも一番厳しい地域かなと。私は日向在住ですが、日向圏域という大きな枠で見ると、入郷地域のことがそうであれば、やはりしっかりとやっていかないかんという気概はありますので。県も、ぜひ、そういったことで、中山間の「中」を抜いて「山間」部と、ヤマカンというとちょっとあれだけど。山間部をしっかりと担ってほしいなと思っております。そういった山間部における在宅サービスの実情の把握、また課題分析を通じて、地域の実情に応じた介護体制の充実、また部長の現地調査も含めてお願いしたいと思います。 最後に、実を言いますと、宮崎産業経営大学が、今、全日本大学野球選手権で勝ち進んで、ベスト8です。きょう4時半から神宮球場でベスト4を目指してやります。これ、やはりテレビ中継もないんです。その中でも、こういった、おらが県の野球チームを県全体で応援していかにゃいかんというふうに思っておるところです。 最後、知事に、エールをお願いしたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 宮崎産業経営大学でありますが、全日本大学野球選手権に本県から初めて出場した。これもすばらしい快挙でありますが、全国の名立たる強豪大学を相手に2連勝して、ベスト8ということであります。 関係の皆様に心からお祝いを申し上げたいと思っております。特にこの産経大は、必ずしも野球専用グラウンドを持っているわけではないという状況ですとか、チームの選手が地元宮崎や鹿児島の選手で、必ずしも強豪高校から選手を集めてというチームづくりではない、そういう中での快挙というのは本当にすばらしいことだと思います。 産経大は、サーフィンとかサッカーが非常に有名なわけでありますが、野球でもこうやって全国に向けてアピールをする。甲子園優勝を目指す本県としても、大きな弾みになるのではないかなと思っております。 きょうは、福岡代表の九州産業大学との準々決勝ということであります。この九州産業大学は、きのう、優勝候補と目される「150キロトリオ」という投手を擁した東洋大学にコールド勝ちをしたという、相当強い相手ではないかと思っております。しかも、ナイターになる可能性があると。ナイターの経験がないということで、いろいろ不安はあるわけですが、ぜひ意地を見せていただきたいと思いますし、頂点目指して頑張っていただきたい、そのように思うわけであります。 この大会は昨年、本県で合宿をしていただいております立教大学が59年ぶりに優勝したということでありますが、産経大の三輪監督は立教大学のOBで、また産経大のユニフォームも同じような縦じまだということで、何か勢いがあるのではないかなという期待をしながら、見守ってまいりたいと考えております。 ◆(日高博之議員) 終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(蓬原正三) 次は、前屋敷恵美議員。 ◆(前屋敷恵美議員) 〔登壇〕(拍手) 日本共産党の前屋敷恵美でございます。通告に従い一般質問を行います。 まず最初に、知事の政治姿勢から伺ってまいります。 最初は、新田原基地の米軍単独使用について伺います。米海軍は、5月25日まで実施していた硫黄島での空母艦載機着陸訓練に続き、九州沖海域での米軍の空母による着陸資格取得訓練を、5月30日から6月3日まで実施しました。その際、例外として、天候急変などで不測の事態が生じた場合、緊急着陸空港として新田原基地を使用すると通告をして、今回、2回の緊急着陸が行われました。しかし、いずれも悪天候などによる不測の事態などではなく、燃料補給が理由でした。そもそも、これまで米軍による新田原基地使用は、協定に基づいた日米共同訓練以外にはあり得ず、今回のような米軍の単独訓練時の新田原基地使用は、まさに協定違反の基地使用と言わなければなりません。こうした今回の事態について、知事の見解を伺いたいと思います。 後の質問は、質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 今回の訓練に係る新田原基地の使用につきましては、日米地位協定に基づく日米合同委員会において承認されたものであります。今回の訓練は、米軍の単独訓練であり、地元自治体との協定は締結されておりませんが、県としましては、国に対して、地元自治体に対する丁寧な説明とともに、県民の安全・安心を確保する観点から、事故等により県民の生命や財産が脅かされることのないよう、また、騒音の軽減など可能な限り生活の保全が図られるよう、万全の対策を講じることを文書で要請したところであります。今後も、引き続き国に対して、適時的確な情報提供と万全の対策を、強く求めていきたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(前屋敷恵美議員) ただいま知事のお答えでは、日米地位協定によることが最大の要因だというふうにお話しされましたが、日米地位協定に基づいて全てが行われるようになってしまえば、日本の主権や自治体の主権、住民の皆さんのその思いは全くないものになってしまうのではないかと思います。これまで、日米共同訓練は、協定により―その協定は、宮崎県の立ち会いのもとに、関係自治体と当時の防衛施設庁や、福岡防衛施設局との間で交わされてきました。そして、それに準じて訓練が実施されてきました。 振り返りますと、最初、昭和55年でしたが、日米共同訓練に関する協定では、当時、黒木博知事の立ち会いのもと、新田原基地を日米共同訓練のために一時的に使用させるが、これを契機に恒久的に米軍基地にしない、恒久的に使用はさせないことを確認しております。その次に結んだ協定は、米軍再編による新田原基地への訓練移転に関する協定、これは平成19年、当時は東国原知事でございました。これでは、移転訓練は、航空自衛隊との共同訓練であること、共同訓練は1回当たり1日?15日、年間56日以内などを取り決めて確認をしております。 これに基づいて、これまで日米共同の訓練が新田原基地を使って行われてきたわけですが、今回の米軍単独訓練というのは、こういった協定にも全く外れた、まさに協定違反であり、日米地位協定で何もかもがなし崩しになってしまうゆゆしき事態だというふうに、私は思っております。今回の米軍空母による着陸資格取得訓練について、どのような通知があったのか、危機管理統括監にお願いしたいと思います。 ◎危機管理統括監(田中保通君) 米軍の空母着艦資格取得訓練の実施に伴う新田原基地の使用につきましては、4月19日に、九州防衛局の職員が県庁を訪れ、説明を受けております。その際、九州防衛局からは、米軍の空母艦載機が厚木飛行場から岩国飛行場に移駐されたことに伴い、資格取得訓練も九州沖に変更され、新田原基地が不測の事態が生じた場合の代替着陸先として使用される場合がある旨の説明があったところであります。また、九州防衛局は、18日から19日にかけて、新田原基地周辺自治体に対しても、同様の説明を行ったと聞いております。 ◆(前屋敷恵美議員) 九州防衛局の情報提供という形で、一方的な通知にすぎないというふうに私は思います。しかも、これが口頭の通知だということでありましたが、これでは納得できるものではないというふうに思います。 あわせて、緊急時に備えた米軍の整備員10名の配置も通告をしてきたようですが、何の取り決めもなく米軍が常駐すること自体、協定違反ですし、燃料補給が緊急事態・不測の事態と言えるのか。どのように考えるか、知事の見解をお聞きしたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 九州防衛局からの訓練前の説明によりますと、天候の急変等に伴い、安全を十分確保するために岩国飛行場に向かう途中で着陸しなければならないような不測の事態が生じた場合には、新田原基地が使用されることがあり、燃料不足に伴う着陸もあり得るとの説明があったところであります。また、今回の米軍機2機の新田原基地への着陸について、九州防衛局に確認をしましたところ、燃料補給が必要になった経緯などは明らかになっておりませんが、今回の着陸は、新田原基地の使用条件の範囲内で行われたものとの説明を受けているところであります。 ◆(前屋敷恵美議員) 新田原基地の使用条件の範囲内であることは、今も私がお話ししましたとおり、まさに協定にも何にもない形で使われたわけです。不測の事態と言えないこの燃料補給、もともと燃料などは十分に措置をして飛ぶのが当たり前でありますけれども、こういう形で、いかなる理由をつけてでも新田原基地を使おうとする。これが今後続くようであれば、大変なことだというふうに私は思います。 米軍はこれまで、厚木基地を拠点に、房総沖の洋上で行ってきた訓練が、拠点を岩国基地に移したことにより、九州沖の洋上に変更されて、新田原基地が緊急着陸の基地にされたわけですが、こうした米軍単独訓練での使用をこのまま認めれば、先ほども言いましたが、米軍がいつでも恒常的に新田原基地を使うことに道を開くのではないか、大変危惧するところです。これまでは、少なくとも協定を結んで米軍使用への一定の歯どめをかけてきたというふうに、私は思っています。 しかし、今回のように地元自治体を無視する形で、一方的な通告による基地使用は認められないと思います。知事はどのように、これからのことも含めて考えておられるのか、見解をいただきたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 今回の訓練による新田原基地の使用につきましては、日米合同委員会において承認された条件に基づいて実施されたものと考えております。また、今回の訓練は、使用目的や使用期間が定められており、代替着陸先としての使用ということで、九州防衛局からも、米軍が新田原基地に恒久的に配備される計画はないとの説明を受けているところであります。 ◆(前屋敷恵美議員) 先日もF15戦闘機が墜落いたしました。乗組員は命の別状はなかったようですけれども、こういうふうに戦闘機が飛べば、事故はついてくるんです。これまでの日米共同訓練のその上に、こうした米軍単独での訓練にも基地が使われるようになれば、この危険性は本当に、騒音とともに増していくことになるというふうに思います。安心・安全な住民の皆さんの暮らしをしっかり守る、そういう知事の立場では、こうした訓練は認められない、このように考えるわけです。 ぜひ、今後の訓練の中止を申し入れていただきたいと思いますが、いかがですか。 ◎知事(河野俊嗣君) 外交・防衛の問題は、国の専管事項であります。今回の新田原基地の使用につきましても、安全保障政策の一環として、国の責任においてなされたものと考えております。県としましては、今回の訓練の実施に当たりまして、まず、地元自治体に丁寧な説明、情報提供をしていただくとともに、県民の生命・財産を守る観点から、事故の防止や騒音の軽減などについて万全の対策を講じることなどを、国に対して要請したところであります。 ◆(前屋敷恵美議員) 今回のことも含めて、知事の責任、県の責任は大変大きいものがあるというふうに思います。やはり、県民の暮らし、しっかり安全を支えるという立場で、今後対処していただきたい。このように強く思います。 もう一点お伺いしたいのは、ことし3月30日に、延岡市北方の上空で、オスプレイと見られる飛行機が目撃されています。このことは、地元の夕刊紙で報道されました。県を通じて事実確認を求めておりますが、明らかにはなっておりません。状況を御報告いただきたいと思います。危機管理統括監、お願いいたします。 ◎危機管理統括監(田中保通君) 今回の事案につきましては、情報をいただいた段階で、地元の延岡市に対し、他の低空飛行事案と同様に、詳細な状況を目撃者の方に確認の上、報告していただくようお願いしたところであります。その後、延岡市において、目撃者の方に確認をとりまして、6月11日に、市から県に報告がありましたので、同日付で、県から九州防衛局へ照会をしております。九州防衛局に対しましては、速やかな確認と回答を要請したところであります。 ◆(前屋敷恵美議員) 写真から見てオスプレイだということがわかります。とりわけオスプレイは、各地で事故が頻発している機種です。この軍用機がどういう目的で宮崎の上空を飛行したのか、連絡があったのか、何もわからないという状況で県民の安全を守る危機管理ができるのか、知事の見解を伺いたいと思います。 ◎知事(河野俊嗣君) 県では、国に対しまして、オスプレイ等の飛行情報について事前の情報収集に努めることや、関係市町村を含めて速やかに情報提供するよう、文書により申し入れているところであります。また、低空飛行等について市町村から情報提供があった場合には、九州防衛局を通じて米軍等に照会をしているところであります。今後とも、県民の安全・安心を確保する観点から、早急な情報提供が行われるよう、国に対し強く求めてまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) いずれにいたしましても、県民の安全・安心な暮らしを守る責任ある県として、また知事として、しっかり対処していただくことを申し上げておきたいと思います。 次に、重度心身障がい者(児)医療助成制度の改善について伺います。 まず、給付のあり方についてです。現在、全ての県で、重度心身障がい者の方への医療費助成が行われておりますが、その給付について、宮崎県では、通院の際、医療機関の窓口で一旦立てかえ払いをした後、役所に出向いて、領収書や支払証明書を添え、還付手続を行って払い戻しを受ける、いわゆる償還払いの制度がとられております。 しかし、制度を利用される方々にとっては、受診した際の一時立てかえ払いは、経済的に大変な負担になっています。しかも、払い戻しを受けるまでに2カ月から3カ月かかるという状況では、なおさらなことだというふうに思います。「ぜひ、立てかえ払いのない現物給付の制度にしてほしい」というのが、障がいを持たれた方々の切実な願いです。以前から要求が寄せられていると思いますが、なぜこれまで改善が図られないのか伺いたいと思います。福祉保健部長、お願いします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 重度障がい者(児)医療費公費負担事業につきましては、外来の場合、利用者が医療費の1割から3割相当分を一旦支払い、その後、市町村の窓口で申請して払い戻しを受ける償還払い方式としていることで、市町村に出向くなどの負担があるということは、伺っているところでございます。 しかしながら、制度を開始した昭和50年当初は数千万円程度であった県の負担額が、現在は10億円を超えておりまして、給付方法の見直しに当たっては、事業費の増加が見込まれますことから、財源の確保が大きな課題になると考えているところでございます。 この制度は、障がいのある方の健康と福祉の向上を図る上で大変重要であると認識しておりますので、安定的な運営を図りながら、限られた財源の中で、将来にわたり持続可能となるよう、事業主体である市町村とも意見交換を行ってまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) この医療費の助成は、おくれてであっても、後で行われるわけです。ですから、その財源を問題にするというのは、私はいささか次元が違うんじゃないかと思うところです。その財源確保ができないというところが、ちょっと腑に落ちないわけであります。 障がいを抱えて生活しておられる方々の6割が、年収100万円以下という状況の中で、この助成制度は、まさに命綱ともいうべきものです。一時立てかえでの負担とともに、申請の手続でも代筆を頼まなければならない方も多くて、その負担も大変なもので、経済的にも、また精神的にもその負担は大きいものがあります。全国的には、既に30の都道府県が、立てかえ払いのない償還払いを実施しており、宮崎県でできないはずはないというふうに私は思います。 必要とする人たちのための助成制度ですから、利用しやすく改善を図ることは当然のことではないでしょうか。自治体の負担も大変だというふうに伺っています。これは一例ですが、宮崎市では、月に約1万5,000枚の申請書の事務処理を行っていると伺っています。書類を点検し、振り込むための事務作業ですが、その負担は相当なもので、現物支給は、こうした非効率的な作業の改善にもつながることになるというふうに思います。ぜひ、制度の見直し・改善を図っていただき、真に障がい者の方々の生きる力、生きる支えとなる助成制度にしていただきたいと思いますが、今後の方向性を部長、お示しいただきたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 現物給付化についての御質問でありますが、前回、入院の場合を現物給付した場合に、県の負担額が1億3,000万増加したというような実例もございます。平成29年度の事業費、入院と外来の内訳を見ますと、入院が4割、外来が6割というような形になっておりまして、今回、外来を現物給付化した場合には、一定の増加額が見込まれるところでございます。そういったところも踏まえまして、先ほど申し上げましたとおり、この制度について持続可能な制度とするために、市町村と意見を交換しながら、制度のあり方等について検討を進めてまいりたいと思っております。 ◆(前屋敷恵美議員) 制度は、先ほど申しましたが、本当に必要とする方々のためのものですから、使い勝手をよくすること。これを利用して、障がいを抱えながらも懸命に頑張るという方々を支援するものですから、ぜひ制度の改善は行っていただきたい。このことを強く申し上げておきたいと思います。 次に、重度心身障がい者(児)医療費助成の対象拡大について伺いたいと思います。現在、全ての県で、身障手帳1級・2級の方を対象に助成を行っていますが、3級まで助成している県は38都道府県、4級まで対象にしている県も11県あります。宮崎県は2級までです。 ところが、内部障がいの心臓、腎臓、呼吸器などの機能障がいについては、2級の規定がないために、1級の人しか医療費助成が受けられません。なぜ、内部障がいに2級の規定を設けていないのか不可解なのですが、規定がないのです。このことからしても、3級まで助成の対象を広げなければ、内部障がいで治療を続ける方を援助することはできません。ぜひ、障がい者の医療費助成の対象をせめて3級まで拡大できないか、伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 医療費助成制度でございますが、日常生活が極度に制限されている方の医療費を助成することで、経済的負担の軽減を図ることを目的としておりますことから、対象者を重度の方に限定させていただいているところでございます。対象者の拡充につきましても、先ほどの外来の現物給付化と同様に、事業費の増加が見込まれるところでございますので、この制度が、限られた財源の中で将来にわたり持続可能となるよう、事業実施主体であります市町村とも意見交換を行ってまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) 先ほども申しましたけど、全国では、3級まで拡大をしているところは38都道府県、4級まで対象にしている県は11県もあるんですね。そういった点で見ると、宮崎県は非常におくれている取り組みだ、施策だというふうに思います。病気で苦しむ患者さんや御家族を支援するこの制度は、県民の暮らしそのものを支えるということになるわけですから、私は、できないことはないし、ぜひ、県で取り組まなければならない課題だというふうに思っています。財源の問題も、先ほど言われましたけれども、県全体の予算の中で、本当に何が必要なのかというところの位置づけの問題も、私は大変重要だと思っているところです。 ぜひ、検討課題にのせて、結果を出していただきたい。このことを強く求めておきたいと思います。御見解があれば述べてください。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 議員御指摘のこの医療費制度でございますが、やはり事業費の増加の問題と、利用者目線に立った問題、いろいろ課題がございます。そういった中で、いろんなことを検討しながら、どういった制度のあり方が一番いいのか、十分に検討してまいりたいと思います。 ◆(前屋敷恵美議員) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、障がい福祉サービスの介護保険移行問題、65歳問題について伺いたいと思います。 障がい福祉サービスを受けて生活をしておられる方が、65歳になると介護保険制度に移行されるという、いわゆる介護保険優先原則のもとで、これまで受けていたサービスが保障されず、在宅での暮らしに困難な事態が生じております。県はこうした事態をどのように認識しておられるのか、伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 65歳以上の方の、障がい福祉サービスから介護保険サービスへの移行につきましては、介護保険制度が創設された平成12年度当初から、65歳以上の方は、基本的には介護保険サービスを優先的に受けていただくものの、必ずしも一律的な取り扱いを行わないよう、サービスの実施主体であります市町村に対しまして、機会があるごとに助言してきたところでございます。今後とも、各種会議や研修会などさまざまな機会を活用しながら、改めて周知・徹底に努めてまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) 先日、私は65歳を間近に控えた方の不安の声をお聞きしました。現在、月45時間の外出などのサービスが支給されており、リハビリに通ったり、人との交流に使っているということでありましたが、これが10時間に減らされることになると言われておりました。そうなると、どうしても家にこもりがちになって、身体機能も低下することになるんじゃないかという不安を語っておられました。 私は以前にも、この「65歳問題」は一般質問で取り上げさせていただいたことがありますが、「負担軽減措置があるので、65歳になったからといって一律に介護保険を適用することにはならない」、こういう答弁でした。今、部長がおっしゃったように、こうした内容を政府が通知しているんですね。この徹底を進めてほしいということも、そのときの質問でお願いしたところなんですけど、現実には、そのときお話を聞いた方が、昨年65歳になって、介護保険に移行されました。要介護4という認定になったそうです。それまで45時間のサービスが、10時間に減らされました。新たに1割負担も生じるようになり、さらには住宅の問題も、障がい者対応の住宅から高齢者向け住宅に移り、お部屋も狭くなったようです。出費も、これまでの2倍にふえたそうです。障害年金だけではとても足りないということで、蓄え―働けないわけですから。この方は筋ジストロフィーという病気も持っておられて、治療にも当たっておられるんですけれども、働けないということもあって、今、蓄えを取り崩しながら生活をしていると。この蓄えがなくなった後はどうなるんだろうかと、心配・不安を語っていただきました。私は、まさにこうした方々の暮らしそのものを抹殺するようなことになるんじゃないか、死ねと言わんばかりじゃないかというふうに、極端なことですけれども、思いました。 ですから、ぜひ、政府のこうした通達、一律に介護保険サービスに移行するということにはしないと。介護保険サービスを優先しないという、この通達をもっと各自治体にも徹底していただいて、障がいを持ちながらも本当に懸命に頑張って生きていこうとしておられる皆さん方をしっかり支える。私はそれが行政の役割だと思いますので、ぜひその周知と徹底、きめ細かな支援・援助をお願いしたいと思います。部長、いかがでしょうか。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 国の通達に基づいて、現在まで市町村に指導してきたところでございますが、一部そういった行き届かない部分もあるというふうには聞いておりますので、今後とも、しっかりと周知徹底に努めてまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) ぜひ、丁寧な徹底をよろしくお願いしたいと思います。 次に、個人の尊厳が守られる高校にどうするかという点で、一つに、高校生の制服について伺いたいと思います。 「なぜ女子の制服はスカートなのか。なぜ男子はズボン、女子はスカートと決まっているのか」と、制服のあり方について疑問を呈した高校生の新聞投書がありました。私自身、問題意識を持ちながらも提起のおくれがあったことを、本当に反省するものですが、制服のあり方については、見直し・検討が求められているというふうに思います。 ズボン、スラックスなどは、寒さを防ぐ防寒対策はもちろんのこと、紫外線対策など健康上も必要になってまいりました。また、LGBT・性的マイノリティーの方たちの立場でも、学校生活で生きづらさを生じさせないためにも、制服は希望者の選択制にするなど、制服のあり方の見直し・検討は、必要かつ重要な課題だと思っております。教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 県立高校の制服につきましては、各学校で指定しているわけでありますが、全国的に見ると、スカートまたはスラックスを自由に選択できる制服を導入している学校もありますことから、今後、健康上の理由やLGBT等の性的マイノリティーの生徒に配慮した制服のあり方について、研修会などを通して、各県立高校に対し、情報提供を行ってまいりたいと考えております。 なお、現在におきましても、生徒や保護者から健康上の相談等があれば、制服のかわりに体操服の着用を認めるなど、学校ごとに柔軟に対応しているところであります。 ◆(前屋敷恵美議員) ぜひ当面の課題としても、この制服の問題はしっかり取り組んでいただきたい、このように思うところでございます。 あわせて、トイレの課題についても伺いたいと思います。現在、公共施設のトイレには、心と体の性別が一致しない、トランスジェンダーと言われる利用者の方への配慮として、多目的トイレに「どなたでも利用できます」の表示があります。県庁内にも設置してありますが、その表示だけでは十分とは言えません。真に利用者の立場を理解していないとの声も聞かれるところです。私は、学校においてはなおさらのことだと思います。2月議会では、来住議員が学校トイレの洋式化の充実について質問いたしましたが、今回私は、ぜひ、LGBT・性的マイノリティーの方たちの立場、視点でのトイレ設置のあり方を検討する必要性があるとの思いで、質問をいたします。現在の学校の状況はどうなっているのか、お聞かせください。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 県立高校におきましては、LGBT等の生徒だけを念頭に置いた整備ということではありませんが、バリアフリーなどの考え方に基づきまして、生徒や職員はもとより、避難所としての対応もできるように、高齢者や障がい者など、多様な利用者に配慮した多目的トイレを整備しているところでございます。 ◆(前屋敷恵美議員) トイレは、生活の基本です。生理的には健康上が第一義的ですが、性的マイノリティーの人たちの視点からも、精神的にもデリケートな問題として、人権を守るという立場からも重視する必要があろうかと思います。男性トイレ、女性トイレを利用することに苦痛を感じる方々が、多目的トイレを利用したことで、中傷やからかいの対象にならないような、配慮あるトイレの設置をどう考えていくか、今後のトイレのあり方を検討することは、極めて重要と考えます。今後の方向性をぜひ、教育長、お示しいただきたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 各学校におきましては、健康上の理由やLGBT等の性的マイノリティーの生徒への配慮から、多目的トイレあるいは職員トイレの使用を認めているところでございます。しかしながら、多感な時期である高校生は、トイレへの行きづらさを感じているということも考えられますので、生徒の心に寄り添った相談しやすい環境づくり、あるいは他者を思いやる心の醸成に努めて、全ての生徒が安心してトイレを使用できるよう、きめ細かな対応について啓発を図ってまいります。 ◆(前屋敷恵美議員) ぜひ個人の尊厳が守られる学校にしていくためにも、重要な課題として、一日も早く改善が図られるよう求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 もう一点は、県立高校の混合名簿について伺います。県教育委員会は、混合名簿実施の推進を進めておられますが、この春、私が出席した小学校の入学式は混合名簿でした。しかし、中学校ではまだ、男女別の名簿でした。県立高校においては現在どのような状況になっているのか、伺いたいと思います。教育長、お願いいたします。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 平成30年度におきます男女混合名簿、いわゆる「性で分けない名簿」の使用状況であります。小学校から申し上げますと、小学校で235校中146校、率にして62.1%。中学校で126校中51校、率にして40.5%、県立高等学校及び中等教育学校におきましては39校中24校、率にして61.5%ということになっております。前回調査の平成28年度と比較をいたしますと、小学校で51.5ポイント、中学校で35.9ポイント、県立高等学校及び中等教育学校で17.9ポイント上回っているところでございます。 ◆(前屋敷恵美議員) 県立高校においては、6割以上が混合名簿ということでしたが、LGBTを含めた性別で分けることに伴う課題の解消、また男女平等・男女共同参画の推進を図るといった点でも、混合名簿の促進を、高校のみならず小学校・中学校でも、ぜひ、より一層推進の方向を進めていただきたい、このように思います。よろしくお願いいたします。 では次に、高校生の奨学給付金の拡充について伺います。 2014年から、高校生の奨学給付金制度が開始されました。中学まで就学援助制度を活用していた世帯にとって、より多額の費用が必要となる高校入学においては、より必要な制度として、奨学給付金制度は求められておりました。奨学給付金制度の現在の受給者数を、私立高校、県立高校でそれぞれ伺いたいと思います。 ◎総合政策部長(日隈俊郎君) 平成29年度の実績でございますが、私立高等学校における受給者数は1,873名でございます。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 同じく県立高校等における受給者数は4,273名でございます。 ◆(前屋敷恵美議員) この高校の奨学給付金の対象は、生活保護世帯と住民税非課税世帯に限定されております。小中学校の就学援助の支給基準は、生活保護基準の1.1倍、1.2倍などと各自治体で異なっておりますが、準要保護世帯まで拡大されています。そこで、これまで就学援助を受けていた人たちで、奨学給付金が受けられなくなる人が出てくるわけです。国の調査でも、就学援助の対象になるような高校生の2割が、奨学給付金が受けられていない状況にあると言われております。高校入学においては、小中学校ではかからなかった教科書代が要るようになりますし、また交通費なども必要になったりいたします。特に、入学時にはより多額の準備費用がかかるなど、高校では教育費の負担がふえております。高校の奨学給付金の支給基準を、所得制限の見直しや、就学援助の条件程度に引き上げることが必要だと思いますが、教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 高校生等奨学給付金は、生徒が安心して教育を受けられるよう、授業料以外の教育費負担を軽減するために、高等学校などに在学する生徒がいる生活保護世帯や非課税世帯に対して給付されております。しかしながら、高校生等奨学給付金と小中学校の就学援助の支給要件が異なるために、小中学校では就学援助を受給していた方でも、高校生等奨学給付金が受給できない場合もあります。本県といたしましては、就学援助受給者が高校生等奨学給付金を受給できるように、毎年、国に対して、所得制限の緩和をお願いしておりまして、今後も引き続き要望を行ってまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) 高校生の教育を受ける権利を保障するためにも、ぜひ改善が図られることが必要だと思っておりますので、今、教育長は、政府にも要望しているということでしたけれども、ぜひ引き続き強く要望をしていただきたい、このように思います。よろしくお願いいたします。 では、最後ですが、硫黄山噴火による長江川白濁問題について、農家への支援、農業を守る対策、また地域の経済を守る対策などについて伺いたいと思います。 4月19日に硫黄山が噴火して、赤子川・長江川に白濁が生じて約2カ月になろうとしています。白濁は徐々に解消されてきておりますが、水質検査では、ヒ素やカドミウムといった有害な重金属類がまだ検出されている状況です。まず、現状をお聞かせください。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 県では、白濁が最初に確認された4月21日に長江川上流の大原橋で水質検査を行ったところ、水素イオン濃度や重金属などが環境基準を超過していたため、下流側の川内川でも検査を行った結果、一部の項目で環境基準を超過しておりました。その後、毎週6カ所で定期的に水質検査を実施しております。直近の結果では、川内川の調査地点で、検査した全ての項目が環境基準を達成しておりますが、川内川合流前の長江川や赤子川の調査地点では、現在でも、水素イオン濃度やヒ素など、環境基準を超えている項目がございます。 ◆(前屋敷恵美議員) なかなか安心できる状態にはありません。長江川の水を農業用水として利用できなくなった稲作農家の方々は、ことしの作付を断念されました。約650戸の農家に及んだと伺っております。全国に名をはせた、ブランド米の「えびの米」をつくれないことは、どれほどつらく、断腸の思いであったか、消費者の私たちも非常に残念でなりません。何としても来年は作付できるよう、手だてを講じることが重要ですが、ことし作付できなかった農家や関連業者、例えば、もみすり業者の方たちなどへ、再生産、再事業につなぐ支援が必要であると思います。 昨日、対策のための補正予算が追加上程されましたが、必要なところへの対策が打たれる内容なのでしょうか。どのような対策で取り組むのか伺いたいと思います。 ◎農政水産部長(中田哲朗君) 長江川白濁の影響で、水稲の作付ができない農家に対しましては、まずは、予定されております水稲の共済金の支払いが円滑に進むよう、農業共済やえびの市と連携して取り組んでおります。さらに、本議会でお願いしております「えびの市水田農業緊急支援事業」を活用いたしまして、飼料作物への作付転換や来年の稲作再開に向けた地力の維持・増進の取り組み等を支援することといたしております。また、もみすり業者に対しましては、水稲の収穫時期に向けて、えびの市や関係団体と連携し、業者同士の情報交換や作業の調整について、話し合いの場を設けるなどの対応をしてまいりたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) そういった農家の方々や、また関連業者の皆さん方、これから頑張るという方向に向けて、寄り添った支援をぜひ、しっかりお話も聞きながら行っていただきたいと思います。ことしは米がつくれなかったけれども、来年はことしの分まで頑張ろうという意欲が持てるような対策でなければならないと思っております。そうでなければ、「えびの米」も、えびのの農業も守れないと思います。 今、新聞の投書でも、「おいしいえびの米をつくり続けてほしい」という県民の激励が数多く寄せられておりますけれども、やっぱり県民の皆さん、みんなそういう思いだと思います。それにどう応えるかというのも、県の大きな役割だと思います。私は、国の支援も大いに要請をして、ぜひ農家の皆さんに寄り添った対策をとっていただきたい、このように思います。 次に移りますが、えびの高原・からくに荘の跡地に設置した沈殿池が6月5日に完成して、運用が開始され、不純物を沈殿させ上澄みを流しておりますが、まだ重金属類が、今御報告いただきましたように検出されております。この沈殿池で、どの程度の効果が見込めるのか、今後この沈殿池で対応できるのか。そのあたりのところをお聞かせいただきたいと思います。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 県が行いました沈殿物の検査では、低濃度ではありますが、ヒ素の溶出が確認されておりますので、河川の濁りや水質悪化の原因となる物質の下流への流出を防止する沈殿池の設置については、一定の効果があるものと考えております。 また、流れている上澄みについては、今議会でお願いしております追加補正予算により、水質等の検査を強化するとともに、硫黄山・河川白濁対策協議会等において、国や地元、大学等の専門家と連携し、水質改善に向けた効果的で、かつ、適切な対策の検討を進めていくこととしております。 ◆(前屋敷恵美議員) また新たな沈殿池の必要も出るかもわかりません。安全な水を供給するという点では、これからの対策も求められるかと思います。私は、発生源対策をしっかりしなければ、今後、長江川から農業用水を利用することは難しいのではないかと思います。 硫黄山の噴火の終息が現段階で見通せない以上、今後の新たな農業用水の確保を検討することが必要になっていると思いますが、今後の見通しについて、農政水産部長、御答弁をお願いします。 ◎農政水産部長(中田哲朗君) 議員からお話がありましたとおり、農業用水は非常に大事であると考えております。農業用水の確保につきましては、地元えびの市と連携いたしまして、短期的な対策と中長期的な対策を行うことといたしております。短期的な対策といたしましては、複数ある用水路ごとの水量や地形などの調査を実施した上で、既設水路の改修工事等を行い、水の有効活用をしていくことといたしております。また、中長期的な対策としましては、将来に向けて営農活動ができるように、地元農家の意向を把握した上で、まずは事業化するための計画の策定を行い、その計画に基づいて、用水施設の整備等を行うことといたしているところでございます。 ◆(前屋敷恵美議員) 今、県が進めようとしている方向が、どの程度の期間を要すると位置づけておられるのか。私は、稲作を継続するためには、水の確保は第一義的な課題で、新たな作付が、2年も3年も先になるようでは、農家の皆さんの意欲も損なわれるということになると思います。非常に心配をするところです。 ですから、まず県が、来年度の作付をどうするか、来年度は作付ができるようにするんだと、そういうような強い意志を持って対策を講ずることが、私は極めて重要なことだというふうに思っているところです。水を確保するという点では、今さまざまな手法もお話しされましたけれども、この長江川から水が引けない以上は、どこかから水を持ってこなければならないわけで、深層地下水をくみ上げるのか、また新たな湧水池を見つけて水を引いていくのか、いずれにしても、かなりの費用も期間もかかると思いますけれども、その方向性をしっかりと決断することが重要かと私は思います。 この深層地下水、井戸を掘るという点では、火山地帯でもありますので、温泉も出てくるんじゃないかという話もありました。しかし、そういう水脈だけではないと思うんです。 安全な水を供給するためには、そういった試験的なことも大いに進めていくことが必要です。実際、えびのにはコカ・コーラがありますけれども、あちらで使われている水は深層地下水がくみ上げられていると伺っているわけですから、そういった点で、安全な水を確保することは十分できることだと私は思います。また、そういう方向性を進めていくためにも、国の英知や国の財源も非常に必要といたしますので、国には積極的にその要請をすることだというふうに思います。 早く決断をしないと、来年の作付に、またその後の作付に大きく影響を及ぼしますので、ここは県の決断するときだと思いますが、部長いかがでしょうか。 ◎農政水産部長(中田哲朗君) 影響を受けている地域につきましては、赤子川・長江川・川内川から取水している地域でございます。 対策としましては、先ほど申しましたけれども、短期的な対策、中長期的な対策をしっかりやっていくというのが非常に大事だと考えております。 短期的な対策につきましてはもちろん、来年の作付にどれだけ水を確保していくかという観点で早急に調査を行いまして、今ある湧水でありますとか、ため池の水をいかに有効に活用できるか、そのあたりを検討いたしまして、施設の改修等をやっていきたいと考えております。 それから、地域全体の水の確保という観点では、やはり当地域が非常に複雑な地形、いろんな条件がございます。また、農家の意向等もございますので、しっかり農家の意向を踏まえた上で、地元のえびの市、土地改良区あたりともしっかり連携しながら、現場の調査をしっかりやって、計画的に事業を実施し、水の確保を図っていきたいと考えております。 ◆(前屋敷恵美議員) 今の部長の答弁では、来年の作付、何としても進めていきたいという意欲を持った答弁だと受けとめたところでございます。そのためにも、ぜひこの水の確保が重要ですので、安全な水を供給していく、その立場でのこれからの施策を大いに進めていただきたいと思います。強く要望しておきたいと思います。 時間もなくなりました。今回の質問も、県民の皆さんの安心・安全な暮らしをどうつくっていくのか、支えていくのかという立場での質問をさせていただきました。ぜひ、本来の自治体のあり方、地方自治体の本旨である福祉や暮らしをしっかり守るという、こういう立場に立った県政を切に要望いたしまして、今回の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(蓬原正三) 以上で午前の質問は終わります。 午後は1時再開、休憩いたします。   午前11時43分休憩────────────────────   午後1時0分開議 ○副議長(外山衛) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は、丸山裕次郎議員。 ◆(丸山裕次郎議員) 〔登壇〕(拍手) 自由民主党の丸山裕次郎です。通告に従い一般質問を行います。 まず初めに、新燃岳・硫黄山噴火についてお伺いします。 ことし3月、7年ぶりに新燃岳で本格的なマグマ噴火が起こり、高原町・小林市・都城市など広範囲に灰が降りました。特に私の住む高原町では、7年前の教訓を生かし、大規模な噴火や火砕流が起きる前に家畜・牛の移動の検討をしたりしました。今回は、幸いに新燃岳の火山活動がある程度おさまり、避難することなくほっとしております。しかしながら、今回の新燃岳の噴火では、出荷の最盛期を迎えていましたシイタケに灰が付着しました。灰をできるだけ取り除き、乾燥して乾シイタケをつくってみると、見た目はきれいに仕上がっているのに、少しだけ灰により白くなったということで、宮崎のシイタケブランドを守るために出荷停止になってしまいました。郡司副知事や当時の横田副議長、県選出国会議員、県・農政局の職員に、現地まで来ていただき、シイタケ農家の厳しさ等を調査・意見交換をしてもらいました。 知事・県議会議長で、「新燃岳火山災害対策に係る支援措置」に関する要望を、3月23日に国に対し緊急要請を行っていただきました。しかし、いまだに具体的な支援策・補正予算が出てきておりません。そこで、原木シイタケの降灰被害対策にどのように取り組んでいるのか、環境森林部長にお伺いいたします。 次に、国立公園満喫プロジェクトについてお伺いいたします。 国立公園満喫プロジェクトに霧島錦江湾国立公園が選定され、御池や生駒高原・えびの高原等がビューポイントに指定されました。これまで、なかなか木を切ることも許されなかった御池では、生い茂った木が伐採され、歩道やデッキなどが整備され、見違えるようになり、御池を訪れた方が感動しております。新燃岳・硫黄山の噴火により、予定されていたビューポイントの整備に影響が出るのではと心配しております。そこで、国立公園満喫プロジェクトの現在の進捗状況と今後の整備計画について、環境森林部長にお伺いいたします。 次に、美しい宮崎づくりについてお伺いいたします。 昨年、美しい宮崎づくり推進条例ができ、今年度より、観光みやざき未来創造基金を活用し、「美しい宮崎づくり推進事業」がスタートしました。推進事業のことを、小林市・高原町などの各種団体を回って説明していますが、美しい宮崎づくり推進条例の認知度は低く、推進事業のことは全く知らない状況でありました。私が話した方々はとても興味を持っていただき、活動団体になってみたいと言っていただきました。活動団体の登録数は40団体強と聞いておりますが、今後の登録団体の加入促進が不可欠だと思っております。そこで、美しい宮崎づくり活動団体の登録促進について、今後どのように取り組んでいくのか、市町村との連携も含め見解を、県土整備部長にお伺いいたします。 次に、観光みやざき未来創造基金についてお伺いいたします。 ラグビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピック、国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭の開催等を観光・交流の飛躍的拡大の好機と捉え、本県がこれまで築き上げてきた強みを生かした観光誘客に取り組み、世界から選ばれる「観光みやざき」を実現することを目的として、「観光みやざき未来創造基金」が造成されました。今年度は12事業3億3,000万円余の予算で、国際水準の「スポーツの聖地みやざき」への進化などに取り組んでおります。観光は、言うまでもなく民間の取り組みが不可欠であり、市町村との連携も必要であると考えます。そこで、「観光みやざき未来創造基金」を活用し、市町村や民間との連携を図るべきだと考えておりますが、商工観光労働部長にお伺いいたします。 昨日の田口議員の質問と多少重なりますが、次に、医師確保についてお伺いいたします。 ことし4月に宮崎大学医学部に行き、鮫島病院長と、医師確保等について意見交換をさせていただきました。病院長から、「研修医を確保するためにさまざまなことに取り組んでおりますけれども、県出身の学生の確保が最も必要」などの意見をいただきました。 また、厚生常任委員会の県南調査で、県立宮崎病院における研修医師確保について、実際に研修医として働いている研修医との意見交換も行うことができました。宮崎大学医学部出身の研修医からは、「研修先を決めるのに、それぞれ高校時代の地元を基本に考えている。また、都市部の大きな病院を考えている」との意見をいただきました。 そこで、過去5年間において、本県の高校生が医学部医学科へ合格している人数と、そのうち宮崎大学医学部医学科に合格している人数を、教育長にお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終え、以下の質問は質問者席で行います。(拍手)〔降壇〕 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 〔登壇〕 お答えいたします。 原木シイタケの降灰被害対策についてであります。原木シイタケの降灰被害対策については、速やかに現地調査を行い、灰の除去に用いる動力噴霧器などの資機材類は充足していることを確認するとともに、原木の確保など、今後の生産再開に向けた課題をお聞きしたところであります。 このため、3月下旬には、知事と県議会議長が、生産回復に必要な原木や種こま等の導入に要する予算の確保について、国へ要望活動を行いますとともに、国の担当室長にも現地調査を行っていただき、現在、支援策について協議を進めているところであります。また、灰が付着したシイタケの活用に資するよう、県の試験研究機関において、乾シイタケの戻し汁の成分分析を行っているところであります。今後とも、国や関係機関との連携を密にしながら、被害を受けられた方に寄り添った対応をしてまいりたいと考えております。 次に、国立公園満喫プロジェクトの現在の進捗状況と今後の整備計画についてであります。このプロジェクトでは、えびの高原や御池など、本県側3つの重点取り組み地域において、老朽化や国際化に対応した施設整備等を実施しており、進捗率は事業費ベースで39%と、ほぼ順調に推移しているところであります。現在、新燃岳・硫黄山の火山活動による立ち入り規制等によりまして、一部、韓国岳登山道などの改修工事ができない状況でありますが、プロジェクトへの影響がないよう、実施可能な箇所から計画的に整備を進めているところであります。 今後の整備計画といたしましては、御池歩道のユニバーサルデザイン化や園路改修、えびの高原池巡りコース等の改修事業にも取り組むほか、大幡山登山道の休憩所の建設にも着手することとしております。引き続き、プロジェクトに盛り込まれたさまざまな事業を計画的に実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。〔降壇〕 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 〔登壇〕お答えいたします。 観光みやざき未来創造基金についてであります。観光は、農林水産業などさまざまな分野に関連する大変裾野の広い産業であり、その振興を図るためには、県だけではなく、多様な関係者がそれぞれの役割を果たしながら、相互に連携して取り組む必要があると考えております。観光みやざき未来創造基金は、県として、本県観光のステップアップにつながる施策に戦略的・集中的に取り組んでいくために創設したものであり、基金の趣旨・目的に合致する、より効果の高い事業に活用してまいりたいと考えております。 このようなことから、市町村や民間企業等と連携することで、より大きな効果が得られるような事業につきまして、その役割分担を踏まえた上で、基金を有効に活用してまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 〔登壇〕 お答えいたします。 美しい宮崎づくりについてであります。美しい宮崎づくりの推進には、市町村、県民、事業者との連携が極めて重要であることから、県ホームページやフェイスブックなどによる情報発信のほか、講演会等の参加者へのチラシの配布、市町村からの情報提供などをもとに、美しい宮崎づくり活動団体への登録を進めてきたところであります。 今年度は、新たな取り組みとしまして、市町村長等を訪問し、直接、登録制度や美しい宮崎づくり推進事業の内容について御説明するとともに、地域で活動する団体への情報提供について、協力をお願いしたところであります。 今後は、市町村からの情報も活用し、活動団体や企業をきめ細かに訪問するなど、これまで以上に制度の周知に努めたいと考えているところです。県といたしましては、今後も、地域の実情に詳しい市町村と連携し、より一層の登録促進に取り組んでまいります。以上であります。〔降壇〕 ◎教育長(四本 孝君) 君) 〔登壇〕 お答えいたします。 医学部医学科の状況についてでございます。平成26年度入試から平成30年度入試におきまして、全国の医学部医学科に合格した本県の高校生の延べ人数は、過年度卒業生も含めまして、平成26年度から順に、102名、107名、115名、126名、107名となっておりまして、5年間の平均は約111名となっております。 また、同じく平成26年度入試から平成30年度入試におきまして宮崎大学医学部医学科に合格した本県の高校生の人数ですが、過年度卒業生も含めまして、平成26年度から順に、38名、38名、37名、34名、31名となっておりまして、5年間の平均は約36名となっております。以上であります。〔降壇〕 ◆(丸山裕次郎議員) 新燃岳・硫黄山についての再質問を行う前に、シイタケ農家への支援策を早急に対応していただくことを、まずは要望したいと思います。 新燃岳が噴火した状況をマスコミが報道することによりまして、高原町は大変だから行かないほうがいいよという風評被害が生じ、ゴルフ場を利用する客の減少、温泉・飲食店を訪れる方も減少してしまいました。また小林市では、2,000人以上が参加する予定だった霧島山絶景マラソンが急遽中止になり、ホテル・飲食店のキャンセルがありました。 このように、農業だけでなく商業・観光業にも大きな被害が発生しました。高原町におきましては、冷え込んだ消費を喚起する目的で、町単独事業でプレミアム商品券を5,500万円発行することにしております。小林市でも、実際に新燃岳の降灰により被害を受けた農家、商工業者への支援策を独自に検討していると聞いております。 県は今回、硫黄山の白濁被害のみを考慮した、えびの市が発行する5億5,000万円のプレミアム商品券に対する助成を提案しております。えびの市が発行する予定のプレミアム商品券の額が5億5,000万円ということでありますけれども、えびの市が口蹄疫から復興するために発行した際の発行額1億2,000万円と比べると、非常に違和感を感じております。何で、えびの市が発行する5億5,000万円のプレミアム商品券に2,500万円の貴重な税金をもとに助成するのか、小林市民・高原町民そして全ての県民に説明する責務が県にあると思います。そこで、今回、えびの市が発行するプレミアム商品券にだけ助成する明確な理由を、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 霧島山の火山活動により、西諸県・北諸県地域を中心にさまざまな影響が出ており、現在、「セーフティネット保証」による金融の円滑化や特別相談窓口の設置を行っております。 今回、被害を最小限に抑え、一日も早い地域経済の回復を図るため、高原町など影響が大きい地域を対象とした「霧島山火山活動対策貸付の創設」や「霧島エリアへの誘客の促進」に加えまして、えびの市を対象に、「長江川対策地域商業緊急支援事業」をお願いしております。長江川対策につきましては、河川の白濁によって米の作付ができないこと等により、農業資機材を扱う事業者等の売上が減少し、小売店・飲食店等の地域経済にも深刻な影響が生じていることから、緊急に支援を行うこととしたところであります。 県といたしましては、今後とも、火山活動の推移や、それに伴う地域経済への影響を見きわめながら、地元自治体と連携いたしまして、随時、効果的な支援策を検討してまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 今の答弁では、えびの市だけなぜプレミアム商品券に助成するのかは理解できません。恐らく、新燃岳の噴火の降灰被害に拡大しますと、膨大な費用がかかるために、長江川白濁に絞ったのではないかと思います。口蹄疫のときでさえ、えびの市が発行したプレミアム商品券の額が1億2,000万円余りだったのに、今回の5億5,000万円のプレミアム商品券は適正な額なのかを含め、今後しっかり検証していただきたいと思っておりますし、今後起こり得る災害に対してどう対応されるのか、県としての方針を出していただくことを要請しておきます。 また今回、助成から除かれました、小林市・高原町にしっかりと説明していただくことを要請しておきます。 硫黄山噴火により1キロ以内が入山規制になり、県道1号が通行どめになり、生駒高原とえびの高原にこれまで20分程度で行けたのが、倍の40分近く迂回しなければならなくなってしまいました。硫黄山の活動は長引く可能性もあり、県道1号の通行どめが続くことも予測されます。県道1号は、生駒高原とえびの高原を結ぶ路線であり、霧島周辺観光に大きな役割を果たしております。そこで、通行どめになっている県道1号について、生駒高原とえびの高原をつなぐための方策を検討すべきではないかと考えますが、見解を県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県道1号小林えびの高原牧園線の硫黄山周辺につきましては、現在、立ち入り規制がかかっており、被害状況の確認ができないことから、ドローンを使った上空からの映像などで、現状の把握に努めているところであります。県としましては、火山活動の沈静化後に、現道を利用した早期の交通開放を目指したいと考えておりますが、噴気による破損や、地下の空洞等により、現道が通行できない可能性もありますので、硫黄山周辺について、航空写真による測量を実施することとしております。今後とも、県としてとり得るさまざまな手段について、検討してまいりたいと存じます。 ◆(丸山裕次郎議員) 県道1号の重要性を考慮していただきまして、さまざまな観点から事前にできる調査を行っていただいていることに感謝いたします。 立ち入り規制が解除されたときには、速やかに安全性を確保し通行どめを解除していただくことを、まず要望しておきたいと思っております。また、長期にわたり入山規制が続き、通行どめが長期になることも推測されますので、できるだけ短い迂回路等の検討も要望しておきます。 これまで霧島連山は、我々にきれいな水、温泉、癒やしなど、さまざまな恩恵を与えていただきました。霧島連山と共生していくことも必要だと考えております。今回、新燃岳から流れ出した溶岩は、日本で一番新しい溶岩だとも言えると思っております。この溶岩は観光資源になると思っております。すぐには登山をして見られる状態ではないわけでありますけれども、ヘリコプターを使っての遊覧観光とかができればいいのではないかと考えております。 霧島連山は火山活動が活発なため、ピンチの状態だと思っておりますが、このピンチをチャンスに変え、霧島連山と共生していくことが重要だと考えております。そこで、霧島周辺地域観光誘客事業の具体的な内容について、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(井手義哉君) 噴火活動がいつまで続くか予測できない中で、火山との共生は、今後の霧島山周辺地域の観光振興にとりまして、議員がおっしゃるとおり、重要な視点になるものと考えております。 お尋ねの「霧島山周辺地域観光誘客事業」につきましては、まずは、同地域の観光需要を回復させるため、大手オンライン旅行会社が運営する宿泊予約サイトに特設ページを設け、集中的にPRするものであります。具体的なPR内容等につきましては、今後、周辺自治体等と十分連携しながら決定することとしておりますが、この地域の特色であります四季折々の豊かな自然や、それを生かした体験メニューなど、多くの方々に魅力を感じていただけるよう、季節に応じた情報発信を行ってまいりたいと考えております。また、周辺自治体が行う独自の誘客対策等と連動させることで、霧島山周辺地域への観光入り込み客の増加につなげてまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 霧島山火山活動により冷え込んだ観光誘客につながることを、期待しております。成果が出るためには、市町村・観光関係者と連携をしていただきまして、季節ごとに霧島山周辺の情報を的確にPRし、霧島山周辺に来られた観光客が満足できるサービス提供ができる環境整備にも努めていただくことを要望しておきます。 新燃岳は現在、落ちついている状況でありますけれども、今後も、噴火・降灰は続く可能性があります。噴火をするたびにばたばたするのではなく、家畜の避難に関する経費補助の制度の確立や、ハウスに降灰した灰の除去に必要なブロア等の整備、降灰に影響されにくい作物への転換などが必要だと考えております。そこで、長期的な視点に立った農業施策が必要だと考えておりますけれども、見解を農政水産部長にお伺いいたします。 ◎農政水産部長(中田哲朗君) 新燃岳の火山活動の先行きが見通せない中、農業者が意欲を持って営農活動を継続していくためには、ハード・ソフト両面での支援策を、しっかりと講じていくことが重要であると認識しております。 現在、ハード面の支援では、国の降灰関連事業を活用した除灰機械の導入などにより、一定の成果を上げておりますが、県といたしましては、引き続き予算の確保とあわせて、地域から要望のあります事業メニューの拡充について国に要望してまいります。また、ソフト面の支援では、降灰地域の中長期的な営農活動を視野に、品質や収量に影響を受けにくい品目への転換や、灰の洗浄にも水が活用できる畑かん営農の普及拡大などを進めております。 今後とも、農業者が安心して営農が行えるよう、災害に強い産地づくりに取り組んでまいります。 ◆(丸山裕次郎議員) ぜひ、農家が安心して営農に取り組め、災害に強い産地づくりができるように取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。 次に、国立公園満喫プロジェクトについて再質問を行います。 国立公園満喫プロジェクトは、外国人観光客増を目指すことになっており、霧島錦江湾国立公園では7万人を21万人にふやすことになっております。実際に外国人旅行客を導くためには、空港や駅からの2次アクセス、具体的なバス乗り継ぎの時間、レンタカーの乗り方などの提供が必要になってくると思います。そこで、訪日外国人を国立公園に誘客するために、2次アクセスが重要だと考えておりますが、今後どう対応されていくのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 議員御指摘のとおり、二次交通環境の改善につきましては、大変重要でありまして、国と県が昨年度実施したモニターツアーに、外国人ライターやカメラマン、旅行エージェントを招き、国立公園が持つ魅力と課題について、ツアー参加者に検証していただきました結果、国立公園はすばらしいが、公共交通機関の接続に難があるといった御意見をいただいたところであります。このため、本年度、国、県、市町、交通事業者等が連携し、交通拠点と国立公園内の観光スポットをめぐる、県境を越えた周遊バス等の実証運行を行いまして、目的地までの接続方法や移動時間、滞在時間等について検証していくこととしております。 検証結果につきましては、宮崎・鹿児島両県の民間事業者により進められています訪日外国人を呼び込むツアーなどに、しっかりと生かしてまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 空港等からの2次アクセスの確保・充実が、訪日外国人誘客に不可欠でありますので、民間事業者との連携、観光関係者との連携強化を要望しておきます。 次に、森林環境税についてお伺いいたします。 森林環境税は、全国的に森林の荒廃が進む中、市町村が所有者にかわって間伐などを行うのに必要な財源を確保するため、2018年税制改正で創設が決定しました。1人当たり年間1,000円を個人住民税に上乗せして徴収することになっておりますけれども、実際に国民から森林環境税を徴収するのは、東日本大震災復興で徴収している上乗せが終わる2024年からになっておりますが、来年度から借入金を原資に、年数百億円を前倒しして市町村へ森林環境譲与税が譲与されることになっております。管理が行き届かない森林を市町村が管理できるようになり、非常に期待しております。そこで、新たな森林経営管理制度において、管理が行き届かない森林とはどのようなものなのか、また、どのように把握するのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 国が示した、経営管理が行われていないおそれがあるとされる森林の基準の目安は、人工林において、下刈り、除伐等が不十分なため、植栽した木が周りの草木に覆われている場合や、間伐が行われていないために過密化している場合などで、市町村森林整備計画に定める標準的な施業を行っていない森林とされております。 また、これらの森林については、市町村が、森林経営計画の策定の有無、施業履歴の状況等により、経営管理の行われていないおそれがある森林を抽出し、現地調査や森林所有者への聞き取りを行うとともに、集落座談会の開催などを通じて、確認、把握することとされております。 ◆(丸山裕次郎議員) 本県には、約40万ヘクタール余の民有林があると聞いております。市町村で新たな森林経営管理計画を策定するには、かなりの事務手続が出てくると思っております。小さい市町村では人員も限られ、農業との兼務も多く、本当に事務がスムーズに進むか心配しております。そこで、市町村における林業担当職員数と、職員1人当たりが担当する民有林面積及び森林所有者数について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 県内市町村の本年度における林業担当職員の人数は98名で、1市町村当たり3.8名となっております。また、職員1人当たりが担当する民有林の面積の平均は4,162ヘクタールで、最も広い市町村は、西米良村の1万2,659ヘクタール、一方、最も狭い市町村は、高鍋町の706ヘクタールとなっております。さらに、職員1人当たりが担当する森林所有者数は、県平均で1,459名で、最も多い市町村は、高原町の4,070名、一方、最も少ない市町村は、西米良村の355名となっております。 ◆(丸山裕次郎議員) 今の答弁にありましたように、林業に専従している職員の数が、市町村で大きくばらつきがあるのを聞きまして、全ての市町村で、しっかりとした経営管理のための計画が策定できるか心配になりました。市町村間の連携や、また県、森林組合の支援が必要だと考えます。そこで、新たな森林経営管理制度を担う市町村に対する県の支援策について、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 市町村は、来年度、森林を経営管理する上で基本データとなる林地台帳を公表し、運用することとなっておりますが、県では、そのベースとなる台帳の原案を本年度中に作成し、市町村へ提供することとしております。また、市町村が嘱託職員として林業技術者を活用できる「地域林政アドバイザー」のあっせんを行うとともに、来年度開講予定の「みやざき林業大学校」におきまして、新たに市町村職員を対象とした研修も実施する予定であります。さらに、今年度、市町村が集落座談会や戸別訪問を通じて行う森林所有者への意向調査に対しても、支援を行うこととしております。 県としましては、来年度からスタートするこの制度におきまして、森林の経営管理が円滑に実施できますよう、日ごろから市町村、森林組合等と連携して活動している県の林業普及指導員等が中心となり、市町村を積極的に支援してまいりたいと考えております。
    ◆(丸山裕次郎議員) 市町村にとって新たな業務になり、大変な事務になることが予測されますので、適切なアドバイスを要望しておきます。 現在でも、植栽作業や下刈り、さらには間伐作業を行っている作業員が不足している状況であるのに、新たに森林環境譲与税により森林保育等のニーズがふえることになりますので、作業員の確保が重要だと考えております。そこで、新たな森林経営管理制度を進めるためにも、林業担い手の確保が重要でありますが、その現状と確保対策を、環境森林部長にお伺いいたします。 ◎環境森林部長(甲斐正文君) 林業の担い手は、平成27年2,222人で、5年前に比べまして17%減少し、高齢化も進行しております。このため、新規就業者の確保に向け、就業相談会の実施、林業事業体の福利厚生や労働安全衛生の充実に取り組むとともに、来年度の林業大学校の開講に向け、今年度は、林業の魅力が伝わるようSNSと連動したホームページの構築など、情報発信の強化を図ることとしております。 また、将来的に少ない人数でも森林管理が可能となるよう、伐採と造林の連携推進や、下刈り作業の省力化、先端技術を活用した森林情報の把握などの実証にも取り組むこととしております。加えて、県内の森林組合では、地元の建設業などとの連携を検討する動きも始まっております。こうした施策や工夫により、将来にわたり宮崎の林業を支える担い手の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 現在、全ての産業が人手不足になっており、特に労力が必要な下草払い・間伐などの保育作業は、現在でも人手が足りず厳しい状況にあると思っております。新たな森林環境税創設で非常にうれしいわけでありますけれども、これまで以上に保育作業をしなければならない面積がふえていくことが予想できますので、その対応ができる作業員確保に全力で取り組んでいただくことを要望しておきます。 次に、美しい宮崎づくりについて再質問を行います。 県はこれまで、沿道修景美化条例をもとに、国道・県道沿いの花植え、植栽、剪定などを行ってきましたが、美しい宮崎づくり条例では、国道・県道にかかわらず市町村道、農道、農地、山林など、県下全域が対象になりました。 対象が広がったという視点で、自宅から議会に来る途中を見てみますと、人家の近くや県道・国道などの沿道沿いの杉が大きくなり、景観にそぐわない状況になっている箇所が散見されます。杉を所有されている方に聞いてみますと、杉を切りたくても交通規制やクレーンを使わないと伐採できず、杉を売ったとしても赤字になるのでほっておくしかないという答えが返ってきました。1カ所1カ所では伐採運搬コスト等がかかるため、なかなか伐採されず放置されている状況で、景観を崩していると思っております。また、大きな台風などで杉が倒れ、大きな被害が出るのではないかと心配しております。このような、人家の近くや県道・国道沿いの民有地に放置されている大きくなった杉の伐採促進を行い、その後に桜などの植栽を行えば、美しい宮崎づくりにつながると考えます。 そこで、国道・県道沿いに散見される大きくなった杉山をモデル的に伐採すれば、美しい宮崎づくりにつながると考えますが、見解を県土整備部長にお伺いします。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 美しい宮崎づくりの推進に当たりましては、眺望を阻害する樹木の伐採についても、重要な課題と認識しているところです。このため、昨年11月に策定しました「美しい宮崎づくり推進計画」では、沿道の眺望を阻害する樹木等の伐採、剪定による沿道景観の磨き上げを盛り込むとともに、沿道修景美化モデル事業として、景観向上に資する伐採等に取り組んできたところです。 美しい宮崎づくり推進事業を活用し、これらの取り組みを拡大していくためには、市町村や県民、事業者の皆様の御理解と御協力が不可欠でありますことから、今後も引き続き、美しい宮崎づくりに関する普及啓発に努め、良好な景観の形成に取り組んでまいります。 ◆(丸山裕次郎議員) 杉山の所有者、市町村、県、美しい宮崎づくり活動団体がお互いに協力できれば、景観を阻害している杉を伐採できるということだと理解しました。非常に大きなモデル事業になると思っておりますし、美しい宮崎づくりの啓発につながるのではないかと思っております。具体的な事例が上がってきた場合には、適切な対応をよろしくお願いいたします。 今年度は、観光みやざき未来創造基金を活用し、「美しい宮崎づくり推進事業」を行っております。昨年度も述べましたが、沿道修景美化条例が制定された昭和44年の沿道修景予算は800万円程度でありましたが、1巡目の国体が開催された昭和54年には1億2,000万円になっており、10年間で15倍以上の予算を確保しております。当時知事をしていた黒木知事の熱い思いと、宮崎の観光の父である岩切章太郎氏との連携で、全国に先駆けた沿道修景、宮崎の景観をつくり上げたと思っております。 今回の美しい宮崎づくりは、民間はもとより、県民総参加による全県下公園事業につなげるべきだと考えております。知事の美しい宮崎づくりについての意気込みと予算拡充が、大きな鍵を握っていると思っております。そこで、美しい宮崎づくりの予算をしっかりと確保して、さらなる県民運動につなげる考えはないか、知事にお伺いいたします。 ◎知事(河野俊嗣君) 美しい宮崎づくり、大変重要な取り組みでありまして、財源の確保、これも大変重要な課題であります。県としても、しっかりと財源の確保に取り組むとともに、市町村や事業者などに自主的な取り組みを促してまいりたいと考えております。県としましては、これまで取り組んでまいりました沿道修景美化推進対策事業などに加え、今年度、新たに創設をしました「観光みやざき未来創造基金」を活用した観光振興の施策の一つとして、美しい宮崎づくりの推進にも取り組むこととしたところであります。 今後、本県で開催されます国民文化祭や全国障害者芸術・文化祭、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会、また東京オリンピック・パラリンピック、こうしたスポーツや文化など一大イベントを好機と捉えまして、市町村や県民、事業者など、県民総参加による美しい宮崎づくりを推進してまいりたいと考えております。本県ならではの美しい風景をつくり上げ、世界に誇れる美しい宮崎を次世代に引き継いでいく、そのような強い思いを持って取り組んでまいります。 ◆(丸山裕次郎議員) しかしながら、今後、高齢化に伴う社会保障費の増加、またインフラの老朽化対策費の増加、南海トラフ巨大地震対策費、国体施設整備費等大きな課題がありますので、知事の手腕で乗り越え、予算をしっかり確保した上で、美しい宮崎づくりが、本当に知事の言われたような形で全県下に広がるように、よろしくお願いしたいと思っております。 次に、医師確保について再質問を行います。 先ほど教育長によりますと、毎年、本県出身の医学部医学科の合格者は111人程度になることを答弁いただきました。また、宮崎大学医学部に入学した学生は、過去5年の平均では36名程度とわかりました。県はこれまで、県出身の宮崎大学医学部の入学生をふやすために、また、医師確保につなげるために、地域枠制度を設けました。そこで、地域枠推薦入試、地域特別枠推薦入試の導入前と後の合格者数の傾向を、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 地域枠推薦入試は平成18年度入試から、地域特別枠推薦入試は平成21年度入試から導入されまして、定員数の増加もあり比較が難しい面もございますが、制度導入前の平成14年度入試から17年度入試におきまして、合格した本県の高校生の人数の平均は、過年度卒業生も含めて12名であります。一方、制度導入後の平成18年度入試から30年度入試におきまして、合格した本県の高校生の人数の平均は、過年度卒業生も含めまして約34名であります。比較いたしますと、制度導入前に比べて導入後の合格者数は、約2.8倍に増加しております。 ◆(丸山裕次郎議員) 地域枠を設けて、ある一定の成果は見られておりますけれども、近年の宮崎大学医学部入学の学生は34名に、まだとどまっているということで、なかなか実際伸びていないのも現状であると思っております。毎年111名程度の方が医学部に合格しているのに、宮崎大学医学部に進んでいただいている医学生が少ないと感じております。本県出身の宮崎大学医学部学生が1人でも多くなってほしいと考えております。そこで、宮崎大学医学部医学科の進学希望者をふやすための県教育委員会の取り組みについて、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 宮崎大学医学部医学科への本県出身の進学者をふやすことは、本県医療の充実を図ります上で重要な取り組みであると考えております。先ほど御説明しましたとおり、平成18年度入試からの地域枠推薦入試、加えて、平成21年度入試からの地域特別枠推薦入試の導入を受け、県といたしましては、制度の利用を促してまいりました。 また、医学部医学科を志望する生徒の志を高めるため、全県下の高校3年生対象の学習会におきまして、医学部等を目指すコースを開設したり、高校2年生対象の学習会の中で、宮崎大学医学部の教授による講義を実施したりしております。さらに、宮崎大学医学部との入試連絡協議会や情報交換会などを実施いたしまして、情報の共有を図っているところであります。今後も、県内高校の医学部進学希望者が本県の医療に関心を持てるような環境づくりに、努めてまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 宮崎大学医学部への進学希望者をふやす取り組みも重要だと思っております。しかし、どうしても宮崎大学では得られない臨床に憧れる学生がいるのも現実で、実際に70人程度が県外の医学部に進学していることが想定できます。 県外の医学部に進学しても、宮崎県に戻り研修する研修医、また研修を終え宮崎に戻り、県内の病院に赴任する医師を1人でも多く確保するには、本県の研修病院の体制や県内の医療体制に関する情報提供を積極的に行うべきだと考えます。そこで、県外に進学した医学生や県外の医師にどのように情報提供しているのか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 県では、県外に進学した医学生に対しまして、宮崎で活躍する医師や病院を紹介する広報紙の配付や、県内での臨床研修、及び国保病院等での体験実習についての情報提供を行っているところでございます。また、県外にお住まいの本県出身の医師や、本県で勤務を希望する医師等に対しましては、広報紙や本県の医療機関の求人情報などを、定期的に提供しているところでございます。 今後とも、県外に進学した医学生や県外の医師が、本県の地域医療について理解を深め、臨床研修、専門研修や転職などの段階で宮崎に帰り、円滑に本県で勤務を開始できますよう、さまざまなアプローチを図ってまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 県民の命を守るためにも、宮崎大学を初め関係機関と連携をとっていただき、1人でも多くの医師確保に努めていただくように要望しておきます。 次に、西諸医療圏の分娩再開についてお伺いいたします。 昨年7月末から、西諸地域ではお産ができる病院がなくなり、非常事態になってしまいました。小林市長・えびの市長・高原町長等が一致団結し、知事や宮崎大学等に陳情を重ねたことにより、えびの市出身で県外にいた産婦人科医師が、地元の窮地を救うために英断していただきました。また、県や国、さらには小林市の予算で分娩に必要な医療機器整備ができるようになり、分娩再開に御尽力をいただきました皆様方に感謝申し上げたいと思っております。お産ができなくなった西諸地域に来月、待望の産科医師が小林市立病院に赴任されます。現在、宮崎大学からの応援はあるものの、365日24時間の体制が整っておらず、お産が再開できる体制にはなっておりません。 昨年度策定された、第7次宮崎県医療計画において、医療資源の少ない地域における正常分娩等への対応ということで、地域それぞれの課題について、主体となる市町村とともに明確化を図りつつ、妊婦健診や分娩を取り扱うことのできる体制の整備、圏域を超えた搬送体制の確保など、地域の実情を踏まえた支援に努めることとなっております。そこで、西諸医療圏での分娩再開に向けて、さらなる支援策ができないのか、福祉保健部長並びに病院局長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 西諸医療圏におきます分娩再開に向けたさらなる支援策は、即効性があるものを講じることが難しい状況でございますが、西諸医療圏を初めとする二次医療圏での分娩取り扱い体制の整備は重要な課題であると認識しているところでございます。このため県では、分娩施設における医師や助産師といった医療従事者の確保・育成に取り組んでいるところでございます。 特に医師育成につきましては、今年度から開始された専門医制度のもと、本県で産婦人科専門研修を受ける医師に対して研修資金を貸与する制度を創設し、今年度は、現在1名に貸与しているところでございます。今後とも、地元市町や宮崎大学、県医師会など関係機関と連携しながら、取り組んでまいりたいと存じます。 ◎病院局長(桑山秀彦君) 地域医療の充実に貢献することは、県立病院の重要な役割の一つであると考えております。今後、福祉保健部と十分協議しながら、分娩再開に向けて、病院局としてどのような支援が可能なのか、検討してまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) なかなか難しい問題でありますので、ぜひ小林市、宮崎大学、県がしっかり連携をして、役割分担をしっかりやっていただかないと、なかなか簡単ではないと思っておりますので、ぜひ連携、また役割分担を明確にしていただいて、一日も早く西諸地域で分娩ができるように要望しておきたいと思っております。 最後に、宮崎歯科福祉センターについて質問を行います。 宮崎歯科福祉センターは、平成14年に開設以来、障がい児・者の歯科診療利用者の数が年々ふえ、平成26年からは1万人を超えており、五ヶ瀬町を除く全ての市町村の方々が利用しております。宮崎歯科福祉センターは、県内唯一の障がい児・者の歯科専門の歯科センターとして、非常に重要な役割を果たしていると思っております。しかし、宮崎歯科福祉センターがある場所は、南海トラフ巨大地震による大規模津波で想定される浸水地域になっているため、市郡医師会病院が宮崎西インターチェンジ付近に移転するのにあわせ、移転計画を進めております。宮崎歯科福祉センターは、県の歯科保健行政の中でどのような役割を担っているのか、また、移転に伴う費用に対し、財政的支援ができないか、福祉保健部長にお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 歯や口腔の自己管理が困難な障がい児・者に対しまして、適切な歯科診療や口腔ケアを提供することは、歯科疾患の重症化を予防するだけでなく、誤嚥性肺炎などを予防する上で大変重要であります。こうした中、宮崎歯科福祉センターは、一般の診療所では対応が困難な障がい児・者に対し、専門的な歯科診療や口腔ケアを提供する中核的な施設として、県内全域から年間述べ1万人以上の方に利用されており、大変重要な役割を担っております。このため、県としましては、今回の移転計画が円滑に実施されるよう、国庫補助事業の活用に向けた国との協議を速やかに進めるなど、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 今回の移転は、先ほど言いましたとおり、南海トラフ巨大地震による大津波で浸水地域になってしまうことから、設置から15年程度しかたっておりませんが、移転を決定いたしております。防災という観点から、県としての支援はできないのか、危機管理統括監にお伺いいたします。 ◎危機管理統括監(田中保通君) 防災の視点からということでありますけれども、県では、南海トラフ巨大地震等に備えまして、大規模災害対策基金を設置し、各種対策に取り組んでおります。この基金は、原則としてソフト事業を中心としておりまして、ハード事業につきましては、津波避難タワーなどの避難のための施設整備、あるいは耐震化の支援などに限定しておりまして、建物移転は対象となっていないところであります。したがいまして、お尋ねの宮崎歯科福祉センター移転に対する支援は、こちらでは難しいと考えております。 ◆(丸山裕次郎議員) 宮崎歯科福祉センターは、県内唯一の障がい児・者が通っている非常に重要な施設であろうと思っております。県にはこれまで、障がい児・者の口腔ケア・診療を担う人材育成の観点から、年間に約700万円から約400万円程度の補助をしていただいて、非常に感謝していると聞いております。 今回の移転は、南海トラフ巨大地震対策の一環であります。本当に命を守る事業であります。6月末に、宮崎歯科福祉センターの移転に関しまして、市郡歯科医師会・県歯科医師会・福祉団体等が知事のところに要望に行くことになっておりますので、きょうのいろいろな議論を含めまして、知事には明確な答弁を期待しております。私の全ての質問を終わりますが、ここで一つ、皆様方にうれしい報告をさせていただこうと思っております。 それは、5月12日に長崎で開催されました第55回九州各県議会議員野球で、何と、何と、奇跡的でありますけれども、我が宮崎県チームが31年ぶりに優勝することができました。ありがとうございます。選手の皆様、まことにお疲れさまでした。スポーツ議員連盟会長として非常に喜んでおります。このよい流れが全県下に広がり県勢が発展することを願って、私の一般質問を全て終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(外山衛) 次は、新見昌安議員。 ◆(新見昌安議員) 〔登壇〕(拍手) 通告に従い、一般質問を行います。知事を初めとして、関係各部長、教育長に答弁をお願いいたします。 初めに、知事に伺います。昨年9月議会に引き続き、SDGs(持続可能な開発目標)についてです。 SDGsは、国際社会が2030年を目指して解決すべき課題を、国連の場で明らかにした17の目標のことであります。2015年9月、国連本部で採択されておりますが、SDGsの前に国連が設定した国際的な開発目標に、MDGsというものがありました。ミレニアム開発目標です。2000年に国連で採択され、2015年までに達成すべき8つの目標が設定されておりました。しかし、2000年当時の日本では、現在のSDGsほど注目はされておりませんでした。なぜなら、その目標がアジア・アフリカなどの開発途上国が抱えていた課題だったからであります。 一方、今回のSDGsが注目されているのは、その目標が開発途上国のみならず、先進国にも共通する課題であるからであります。クリーンエネルギー、地球温暖化、経済成長、持続可能なまちづくりなど、国のみならず、地方も率先して取り組むべき目標が含まれております。「持続可能な宮崎」を実現するため、少子高齢化、大規模災害などといった課題の解決に向け、さまざまな分野とも連携を図る推進体制をつくるべきであります。既に庁内に推進本部を立ち上げる方針を打ち出した県もございます。本県も、一歩踏み出した取り組みが必要であります。知事の見解を伺います。 壇上からの質問は以上とし、残りは質問者席から行います。(拍手)〔降壇〕 ◎知事(河野俊嗣君) 〔登壇〕 お答えします。 持続可能な開発目標(SDGs)につきましては、「住み続けられるまちづくり」を目標の一つにするなど、地方創生の実現にも資する重要な行動計画であると考えております。国におきましては、今年度から、SDGsの達成に向けて先導的な取り組みを行う都市を、「SDGs未来都市」として選定し、支援を行う新たな仕組みづくりがスタートしたところであります。このSDGsの理念やその方向性は、福祉の充実や健康づくり、地域資源・エネルギーの循環促進、成長産業の育成など、県の施策と合致するものも多くあると考えておりますので、引き続き、国の動向も注視しながら、県の各種計画の策定や施策の推進に生かしていまいりたいと考えております。以上であります。〔降壇〕 ◆(新見昌安議員) 国においては、知事の答弁にあったように、SDGs達成に向けてすぐれた取り組みを提案する自治体を「SDGs未来都市」に選定して支援する事業を、今年度から始めております。また、日本経済団体連合会、経団連が提唱している経営倫理規定としての「企業行動憲章」、これは昨年11月に改定され、SDGsの理念が新たに盛り込まれております。民間も動き出しております。報道によれば、県においては今月7日、県総合計画の改定に向け、若手職員の意見を参考にするワークショップを開いたようであります。県総合計画の「長期ビジョン」は今年度中に改定、「アクションプラン」は来年度中に新たに策定されるようでありますけれども、改定に向けての今後の動きの中でSDGsとの関連性も明確にする、そのためにも庁内に推進会議あるいは推進本部といったものを立ち上げる、ぜひとも前向きに検討していただきたいと要望しておきます。 次は、健康長寿日本一を目指すためにということで、福祉保健部長に大きく3点にわたって伺ってまいります。 1点目は、がん検診受診率の向上についてであります。 国は本年3月、「第3期がん対策推進基本計画」を策定しております。そこでは、がん検診の受診率の目標を第2期基本計画と同じ50%としております。現状の受診率は30?40%ということで、第2期基本計画から掲げている目標値50%を達成できていない中、第3期基本計画には、受診率向上のために取り組むべき施策として、「受診対象者の名簿を活用した個別受診勧奨、再勧奨」が新たに加えられております。 一方、県においても、国と同じく本年3月、「がん対策推進計画」を策定しておりますけれども、その中の「がん検診の受診率向上対策について【現状と課題】」には、「宮崎県のがん検診受診率は男性の肺がん(50.9%)を除いて、30%ないし40%台であり、第2期がん対策推進計画における目標値(50%。胃・肺・大腸は当面40%)を達成できていません」として、「がん検診については、受診対象者にコール・リコール(個別の受診勧奨・再勧奨)をすることが有効です。健康増進法に基づく健康増進事業としてがん検診を実施する市町村は、受診対象者の名簿を作成し、全員を対象にコール・リコールを実施するなど、受診率向上に努めることが求められます」とあります。コール・リコールが、これからのがん検診受診率向上にとって重要となってきます。 以上を踏まえ伺いますが、国は都道府県の受診勧奨に対する補助事業としての「都道府県がん対策推進事業」で、「がん検診の受診促進や受診率向上に資する事業」というものに予算を計上しておりますけれども、本県ではこの事業を活用しているのかどうか。活用しているのであれば、どのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) がんによる死亡率を減らすためには、がんの罹患率を減らす1次予防に加え、2次予防として、検診により、がんを早期に発見し、早期治療につなげることが重要でございます。このため県では、広く県民に対し、がん検診の重要性について、国の補助事業を活用して、テレビやラジオ、新聞などのマスメディアによる情報提供や、イベントでの啓発を行うことで、受診率の向上を図っております。また、がん検診を実施する市町村に対する研修会を通じて、検診対象者名簿の更新と、正確な受診歴の管理を行うことの重要性を周知しております。さらに、医療機関等が、検診受診者に対して継続的な検診受診が重要であることを説明するよう、働きかけを行っているところでございます。 ◆(新見昌安議員) 次に、同じく国の補助事業で、「新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業」というものがございます。これは、市町村に対する補助事業であり、事業内容としては、受診勧奨・再勧奨云々というふうになっております。そこで伺いますが、県内市町村におけるコール・リコールの実施状況はどうなっているのか、課題等があればお示しください。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) がん検診の受診勧奨・再勧奨、いわゆるコール・リコールは、受診率の向上に有効であることが科学的に示されている取り組みでございます。平成29年度に、国の補助事業によりコール・リコールを実施した自治体は3市町であり、平成30年度では、6市町が実施する予定となっております。また、国の補助によらず、コール・リコールを行っている自治体は、平成29年度では4町村となっております。いずれにしましても、コール・リコールに取り組む市町村は、現在半分にも満たない状況でありますことから、実施率の一層の向上が課題であると考えております。 ◆(新見昌安議員) 受診率の向上を図る上では、コール・リコールの有効性が科学的に示されているということでありました。それでは、まだ少ないようですけれども、市町村のコール・リコール実施率を向上させるため、県としては今後どのように取り組んでいくのかについても伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) がん対策基本法等において、都道府県は、市町村が実施するがん検診の事業評価を行い、必要な助言や指導を行うこととされております。このため県では、有識者から成る協議会を設置し、毎年、市町村から実施状況の報告を受け、事業評価を行っているところでございます。昨年度の協議会において、コール・リコールの実施率が低いことが多く指摘されたことを受けまして、県では、未実施の市町村に対して、個別に実施の依頼をするとともに、担当者向けの研修会等において、その有効性について説明・指導を行ったところでございます。県としましては、今後とも、市町村の意見を十分に聞きながら、がん検診受診率の向上に向けて、適切な助言や指導を行ってまいりたいと思います。 ◆(新見昌安議員) しっかり取り組んでいかれるよう、お願いしておきます。 2点目は、特定健康診査の実施率向上についてであります。 これも県が本年3月に策定した「第3期宮崎県医療費適正化計画」によれば、本県の実施率は平成27年度44.6%で、全国順位は41位と下位にあります。県は2023年度の目標実施率を70%としていますが、現在の県内保険者別の実施率は、先ほど述べたように県全体で44.6%。保険者別では市町村国保が34.3%と最も低く、70%という目標を達成するためには、市町村が実施する国民健康保険の特定健診の受診率を向上させることが極めて重要であります。そのために、県としてはどのように取り組んでいくかについても伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 特定健診の実施率向上のため、市町村におきましては、未受診者に対する受診勧奨のほか、休日及び夜間の集団健診の実施や、がん検診との同時実施などの受診機会の拡大に取り組まれておるところでございます。 県におきましては、こうした市町村の取り組みを財政的に支援するとともに、県内全ての医療保険者で構成する保険者協議会を通じて、特定健診の重要性を広く県民へ啓発しているところでございます。また、昨年12月に策定した宮崎県国民健康保険運営方針に基づき、かかりつけ医からの特定健診の受診勧奨や、診療における検査データを特定健診のデータに活用する市町村の取り組みにつきまして、新たな支援を行っていくこととしております。今後とも、市町村や医療機関等と連携して、実施率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) これもよろしくお願いしておきます。 3点目は、糖尿病発症予防・糖尿病性腎症重症化予防について伺います。 糖尿病が強く疑われている人が2016年に推計で1,000万人に上ったということが、昨年、厚生労働省が行った調査で明らかになっております。「国民病」とも言われる糖尿病であります。放置すると、腎不全を発症して透析治療に至ったり、失明や脳卒中などを引き起こして、生活に重大な支障を生じさせるおそれがあります。この事態を深刻に受けとめて、しっかりと対策を講じなければなりません。県は昨年、「健康寿命男女とも日本一」を目指して、「宮崎県糖尿病発症予防・糖尿病性腎症重症化予防指針」を策定しておられます。この指針には、糖尿病の発症予防、重症化予防、合併症重症化予防において取り組むべきことが示されておりまして、市町村においてこの指針が確実に実施されることによって、県民の健康増進や医療費適正化につながってくると考えております。そこでまず、市町村における取り組み状況はどうなっているのか伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 従来より市町村は、糖尿病の発症予防や糖尿病性腎症重症化予防の対策として、住民に対する健康教育や保健指導及び特定健診の受診勧奨等を行ってきたところです。 こうした中、昨年8月に、県や医師会等の5者で、本県における糖尿病予防等の標準的な取り組みとなる「指針」を策定し、市町村や関係団体にもお示ししたところでございます。指針策定後、市町村の取り組み状況を確認したところ、かかりつけ医から専門医へ紹介する基準の明確化や紹介連絡票等の様式の統一など、新たな取り組みも始まっているところでございます。 なお、指針の具体化を図るためには、市町村と医療機関との連携が重要でありますことから、県としましても、積極的に市町村を支援してまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 次に、糖尿病性腎症重症化予防に取り組んでいるおおむね全ての市町村は、対象者の抽出基準というものを設けております。国が作成した「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」というものがありますが、この中で、「レセプトを有効活用することにより、健診未受診者からの抽出や併発疾病等の確認が可能となることから、抽出にあたってはレセプト等の情報も活用することが望ましい」とあります。合併症が懸念される糖尿病治療中断者への対策として、未治療者や治療中断者の抽出が可能となるレセプトデータの活用は有効であると考えます。県内市町村のレセプトデータの活用状況はどうなっているのか、また、未治療者や治療中断者に対する受診勧奨の実施状況とその方法について伺います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) レセプトデータの活用状況でございますが、県内全ての市町村が、県の指針に基づきまして、国民健康保険加入者の特定健診の結果から、糖尿病が疑われる対象者の抽出を行った上で、レセプトデータにより医療機関の受診状況を確認し、治療を受けていない方を抽出しているところでございます。 また、こうした方への受診勧奨の実施状況とその方法でございますが、県内全ての市町村において、文書、電話、面接、訪問など対象者に効果的と判断される方法により実施されているところでございます。 今後、市町村における重症化予防の取り組みを円滑に進めていくためには、医療機関との連携が不可欠でありますことから、県としましては、糖尿病専門医、かかりつけ医、市町村などの関係者が情報交換を行う会議や、保健指導の充実強化を図る研修会の開催などにより、市町村の支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 「第3期宮崎県がん対策推進計画」「第3期宮崎県医療費適正化計画」「健康みやざき行動計画21(第2次)中間見直し」、これらは全て本年3月に策定され、今年度からそれぞれスタートしております。県民がいつまでも心身ともに健康で、将来にわたって快適に安心して生活できるよう、県におかれては、さまざまな施策の展開、フルスロットルでお願いいたします。 次は、公衆衛生医師の確保・育成についてであります。引き続き、福祉保健部長に伺ってまいります。 少々旧聞に属しますが、昨年12月、読売新聞が行った全国の保健所長の兼務状況調査の結果が報道されておりました。それによると、全国481の保健所のうち、21道県の49カ所で、定年退職などした所長の後任が見つからず、隣接地域の所長らが兼務している実態があるということでございました。北海道が7カ所で一番多く、茨城県、新潟県が5カ所、群馬県、鹿児島県4カ所と続き、本県も1カ所とありました。 地域住民の健康管理はもちろんのこと、災害発生時の感染症予防など、公衆衛生活動の先頭に立ち、その役割の重要性がこれまで以上に高まっている保健所でありますが、そのような組織の最高責任者の不在・不足はゆゆしき問題であると思います。兼務している所長の負担の大きさもはかり知れなく、緊急時の対応等も考えれば、急いで解決すべき問題ではないかと思います。 厚生労働省は2004年に、自治体が人材を確保しやすいように所長の資格要件を緩和してはいるものの、新要件のもとで就任した所長はわずかで、所長につくのは公衆衛生医師であります。そこで、何点か伺いたいと思います。 まず、県の公衆衛生医師の人数及び年齢構成はどうなっているのか。また、保健所長の年齢構成についてもお示しください。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 県の公衆衛生医師の人数につきましては、今年度4月1日現在で申しますと12名で、年齢構成につきましては、30代が4名、40代が1名、50代が5名、60代が2名となっております。そのうち保健所長につきましては7名で、30代が1名、40代が1名、50代が4名、60代が1名となっております。 ◆(新見昌安議員) 今の数字を聞きますと、この10年くらいの間に、複数の保健所長が退職される状況にあります。先ほど述べた読売新聞の調査結果では、宮崎県内でも保健所長の兼務が1カ所ありました。この5年間を調べてみますと、以前は延岡と高千穂の保健所長の兼務があったものの、その後解消され、現在は都城と小林の保健所長が兼務のようであります。それも、5年間同じ方がつかれております。この状況はいかがなものか、解消すべきと考えますが、県の考えを伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 地域の保健医療行政を担う公衆衛生医師につきましては、全国的に医師が不足する中、臨床業務に従事する医師と同様に、確保が困難な状況にあります。このような中、議員御指摘のとおり、小林保健所長につきましては、都城保健所長が兼務をしており、業務負担の面からも厳しい状況にあるため、できる限り早い時期に兼務を解消したいと考えております。なお、都城保健所におきましては、公衆衛生医師としての経験が豊富な所長を配置するとともに、若手の公衆衛生医師を配置することにより、業務の負担軽減を図っているところでございます。 ◆(新見昌安議員) 今後、地域包括ケアシステムの推進を図る上でも、保健所の重要性はますます高まってまいります。その中心である所長たる公衆衛生医師の確保は重要であると考えます。県民の安全・安心な暮らしを守るために、県として公衆衛生医師の確保・育成にどのように取り組んでいかれるのか、伺いたいと思います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 公衆衛生医師の確保対策につきましては、県のホームページへの募集案内の掲載や、宮崎大学の医学生を対象とした講義において、公衆衛生の重要性や魅力を伝えるとともに、公衆衛生に興味を持たれた県内外の医師と直接面談して勧誘を行うなど、機会を捉えて積極的に取り組んでいるところであります。また、育成対策につきましては、公衆衛生学会や国立保健医療科学院等の実施する研修への派遣に加え、若手の公衆衛生医師を対象とした専門医養成のための体系的な研修プログラムを整備し、昨年度から実施しているところでございます。県としましては、これらの取り組みの充実を図りながら、引き続き公衆衛生医師の確保・育成に努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) インターネットで「公衆衛生」を検索してみると、隣県の大分県や鹿児島県が公衆衛生医師を募集しているページにぶち当たりました。本県でも同様の対策をとっておられるようですけれども、他県もその確保に腐心している状況がうかがえます。公衆衛生医師を確保し、保健所長についてもらうためには、どうしても時間がかかります。県民が地域で安心して暮らすことのできる環境づくりの広域的な、また専門的、技術的な機関が保健所ですので、その中心者、司令塔である公衆衛生医師の所長の職責は本当に重要だと思います。今後とも、有能な人材の確保に努めていただきたいと思います。 次に、高等学校における通級による指導について、教育長に何点か伺います。 発達障がいなどのある児童生徒が、学習や生活上の困難の改善や克服のため、通常学級に通いながら通級指導教室等の特別な場で、個々の特性や教育的ニーズに応じた特別の指導を受ける「通級指導」、公立小中学校でこの通級指導を受けている児童生徒数は年々増加していると。昨年度は全国で10万人を超える状況だそうです。 そういった状況の中、義務教育終了後の進路をどうするか、これが大きな課題となっていたところでございます。これまでは普通に高等学校の通常の学級に入るか、あるいは特別支援学校の高等部に進学するか、障がいのある生徒の学びの場は限られていたわけでありますけれども、今年度から、高等学校における通級指導が、教育制度として導入されております。保護者にとって、期待の大きさははかり知れないと思います。 本県では昨年度、県内4つの県立高校を指定して研究調査を行ってきておりますが、今年度は県内8校を拠点校と定め、通級による指導体制構築事業がスタートしております。そこでまず、今年度においては、中学校や生徒・保護者への周知はどのように行っているのか伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 本年度から制度化されました、高等学校における通級による指導につきましては、お話にありましたように、県内8つの拠点校において取り組みを開始したところであります。その周知につきましては、本年4月の公立校長会で、県内全ての校長に対して説明を行いました。また、市町村の担当者会におきまして、各学校や生徒、保護者に対しての周知を依頼したところであります。さらに、具体的な通級による指導の取り組みにつきましては、直接、各拠点校の担当者が中学校に出向くなどして、周知に努めているところであります。 ◆(新見昌安議員) 次に、高等学校における通級による指導を希望する生徒が在籍する中学校との連携は、どのような時期に、どう図っていくのか伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 中学校と高等学校の連携につきましては、入学前に、配慮を要する生徒に関する情報交換会を実施するとともに、各拠点校におきましては、中学校に在籍する生徒・保護者の希望に応じた教育相談や、中学校への訪問を実施しているところであります。また、新学習指導要領において、通級による指導を受ける生徒には、個別の指導計画等の作成が義務づけられておりますことから、今後、中学校で作成された個別の指導計画等が重要な連携の基礎資料として活用されるよう、指導してまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 次に、通級による指導を行う先生には、どういった免許が必要となるのか。また、先生の専門性を高めることも重要であります。どのような取り組みをされるのか伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 通級による指導の担当者の条件といたしましては、高等学校の教諭免許状を有する者とされていることに加えまして、特別支援教育に関する知識や経験が必要とされております。 また、専門性を高めるための取り組みとして、本県では、文部科学省の委託事業を活用した各拠点校間の情報交換会を開催するとともに、担当者による県外の先進校等への視察も予定をしているところであります。 ◆(新見昌安議員) この項目の最後になりますけれども、通級による指導を実施するために、どのような措置や取り組みを行っていくのかについても、伺いたいと思います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 小中学校と同様に高等学校におきましても、通級による指導を行う各拠点校に対して、国により教員を加配する措置が講じられております。また、各拠点校におきましては、担当者の専門性を高めるための取り組みに加え、全ての生徒を対象とした授業においても、学習活動の流れを視覚的に提示したり、黒板の周りの掲示物を除いたりするなど、授業に集中しやすい環境づくりに努めているところであります。これらの取り組みによりまして、各拠点校における校内体制を構築し、通級による指導を充実させていきたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 以上4点伺ってきましたが、文部科学省が本年3月時点での実施予定の調査をしております。それによりますと、今年度から始める都道府県の中で、実施箇所数が最も多いのは、兵庫、山口の両県で、それぞれ9カ所。次いで群馬、宮崎両県が各8カ所となっております。県の教育委員会におかれましては、先駆的に取り組んでいただいたのだと評価をしたいと思います。 通級による指導には、対象となる生徒が、在籍する学校で指導を受ける「自校通級」のほかにも、通級指導教室のある学校に行って指導を受ける「他校通級」、自校に巡回してくる他校の教員から指導を受ける「巡回指導」といった形態があるようであります。期待の大きい事業であります。いずれは他校通級・巡回指導、それらにも取り組んでいただきたい。この点は要望しておきたいと思います。 次は、ヘルプマークの普及と周知への取り組みについてであります。 「県広報みやざき」の6月号には、「ヘルプマークを見かけたら、思いやりのある行動を! 「ヘルプマーク」をご存知ですか?」と、県民に呼びかけるページがあります。義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病のある方など、外見からは容易に判断ができないハンディのある方が、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせるマーク。議員の皆さんはよく御存じのことと思います。平成24年10月に東京都がスタートさせたヘルプマークを導入する自治体が全国で拡大する中、本県でもこの4月から交付がスタートいたしました。県では、緊急連絡先や必要とする支援内容などを記載することができるヘルプカードも、ヘルプマークにあわせて交付しておられます。 ヘルプマークは昨年7月、「駐車場」や「温泉」マークなどとともに、案内用の図記号を規定する日本工業規格(JIS)に追加されて、公的な意味合いを持ってきました。これによって、全国への広まりはさらに加速するのではないかと考えます。このヘルプマークは、援助や配慮を必要とする方が、所持・携帯することはもちろんですが、周囲でそのマークを見た人が理解していないと、意味を持ちません。認知度向上を図ることが重要であります。「県広報みやざき」と、県ホームページに記載されていることは承知しております。それ以外のこれまでの県としての取り組みと今後の取り組みについて、福祉保健部長に伺います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 本県では、今年度から本格的にヘルプマークの配付を開始しておりますが、制度導入から間がないこともありまして、制度の趣旨を広く県民の方々に理解していただくことが何よりも重要であると考えております。このため県では、各市町村及び関係団体への広報チラシの配布や、指定障害福祉サービス事業者向けの制度説明会、福祉・介護職員等を対象とした研修会などにおいて、ヘルプマークについて理解を求めるなど、広く周知に取り組んでいるところでございます。今後とも、市町村、関係団体と十分に連携を図りながら、福祉分野に限らず、県や市町村、各種団体等が開催するイベント等においてPRを行うなど、あらゆる機会を活用し、ヘルプマークの周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 東京都では、交付を始めてから既に5年半以上経過しておりまして、少々古いデータですけれども、昨年8月末までに累計で19万個交付したようであります。しかし、そのような先進地でも認知度が追いついていないと言われております。県としてしっかり取り組んでもらうことはもちろんのことですけれども、ヘルプマークの普及と周知を図るためには、県内企業等の協力も得ることが必要ではないかと思います。同じく福祉保健部長に見解を伺います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) ヘルプマークを、広く県民に周知し、普及を図るためには、行政や関係機関のみならず、幅広く企業や団体等の協力を得ることが重要であると考えております。このため現在、JRやバス会社に対し、多くの方の目にとまる場所へのポスター等の掲示について、協力依頼を行っているところであります。さらに、県と包括連携協定を締結している企業等を初め、経済団体に対して、広報活動への協力を依頼するとともに、多くの企業等が、社内研修での周知など、自発的にヘルプマークの普及・啓発に向けた取り組みを行っていただけるような機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 若い人たちへの周知に取り組むことも重要だと考えます。学校現場でも、このヘルプマークを知ってもらうよう努めるべきだと考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(四本 孝君) 君) 今年度、県教育委員会におきましては、重点施策の一つとして、「いのちの教育」の推進に取り組んでいるところであります。このヘルプマーク導入の趣旨につきましては、「いのちの教育」の軸となる「自他ともに尊重し合うための啓発」に合致し、「いのち」を大切にする学びにつながるものであります。県教育委員会といたしましては、今後、福祉保健部等とも連携を図りながら、ヘルプマークの周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 2年後の10月には、国民文化祭とあわせ、全国障害者芸術・文化祭も開催されることになっております。その6年後、2026年は全国障害者スポーツ大会です。全国からたくさんの人が来県されます。外見から障がいがわかる人にはもちろんのこと、ヘルプマークを持っている人にも思いやりを持って接することができるように、しっかりと周知に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次は、住宅行政について、県土整備部長に伺います。 1点目は、新たな住宅セーフティネット制度についてであります。これは、高齢者や低所得者、子育て世帯など向けに、民間の空き家や空き部屋を賃貸住宅として活用する制度で、昨年10月25日に施行された改正住宅セーフティーネット法に基づくものでありますが、その制度の柱の一つが、「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度」であります。具体的には、空き家などの所有者が高齢者らの入居を拒まない物件を自治体に登録する制度のことですが、一定の条件を満たす場合には、国と自治体が改修費や家賃の一部を補助するなどの優遇措置もあります。 しかしながら、全国的に登録件数が伸びていないようであります。国土交通省によりますと、この3月末現在の登録件数は、要配慮者の入居を拒まない「円滑住宅」が621戸と、目標を大きく下回っているようであります。内訳は、大阪府が最も多く237戸、次いで山梨県が88戸、岡山県が54戸、鹿児島県が50戸、兵庫県が37戸で、この5府県で全体の3分の2を占めております。地域によってばらつきがあるようでありますが、本県及び九州各県における状況はどうか伺いたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅、いわゆるセーフティーネット住宅につきましては、現在、本県では宮崎市内におきまして、1棟2戸の登録がされております。また、九州では、福岡県で1棟3戸、熊本県で1棟1戸、鹿児島県で3棟50戸の登録がされております。 ◆(新見昌安議員) それでは、その原因をどう捉え、今後どのように対応するのかについても伺いたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録が進まない原因としましては、登録申請のための添付書類が多く、手続が煩雑であることが、その一因と言われております。このため国では、制度改正により、登録申請の手続の簡素化を検討していると聞いており、本県におきましても、国の動向を注視しながら、引き続き、制度の広報に努めるほか、関係団体に対して登録の促進を働きかけてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) よろしくお願いしておきます。 次に、県営住宅の入居手続に関して、ストレートに伺っていきます。県営住宅に申し込み、抽選に当たったけれども、連帯保証人を確保することができずに入居を断念したという当選人が少なからずおられます。民間の家賃債務保証会社を活用することはできないか伺いたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 家賃債務保証制度は、民間賃貸住宅において、連帯保証人にかわるものとして広く利用されております。県営住宅において、この保証制度を活用できるとした場合、入居予定者は、家賃以外に、保証料や、一般的には保証契約更新時期の更新手数料が必要となります。また、入居者によっては、保証会社との契約が更新されない場合も想定され、県といたしましては、家賃の確実な徴収に課題があるのではないかと考えております。こうしたことから、現時点では、民間の家賃債務保証会社の活用については、慎重に見きわめる必要があるものと考えており、今後、調査研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 沖縄県うるま市では、市営住宅に入居する際、他自治体と同様、連帯保証人を立てるように入居者に求めていましたが、昨年4月から、連帯保証人または家賃保証会社のどちらかを選択できるようにしております。少子高齢化がより一層進展する中で、連帯保証人を立てられないケースが将来増加することが予想されるため、条例を改正したようであります。これは研究してみる価値はありそうであります。よろしくお願いしておきます。 次は、災害への対応について伺います。 北海道を除き、日本各地が梅雨入りしました。いずれの地域も例年より早い梅雨入りとなり、大雨や洪水に警戒が必要な季節ともなってまいります。気象情報には十分注意していかなければなりません。昨年も日本各地が豪雨災害に見舞われましたが、国の直轄河川につながる都道府県管理の中小河川で被害が相次いだと言われております。7月の九州北部豪雨、まだ記憶に新しいところでありますけれども、福岡県管理の河川で、土砂崩れによって発生した大量の流木が川の流れを変え、流域に甚大な被害をもたらしております。 国土交通省はこの九州北部豪雨を踏まえ、全国で2万の中小河川を緊急点検したようでありますが、その結果、400河川の300キロメートル区間で過去に洪水が発生したにもかかわらず、十分な対策がとられていなかったほか、住宅などが浸水する危険性が高いのに、河川に水位計がない場所が5,800カ所に上ったようであります。 国土交通省はこの点検結果を踏まえて、今年度からおおむね3年間で事業費3,700億円に上る緊急対策の実施を決めております。その内容としては、流木や土砂を食いとめる効果の高い砂防堰堤等の整備や河川の底の掘削と堤防の整備とともに、特筆すべきは、「洪水時に特化した低コストな水位計」を設置するというものがあります。そのために、従来の10分の1以下に当たる100万円程度の水位計を開発して、該当する河川に設置するとのことであります。そこで伺いますけれども、本県ではどういった状況か、県土整備部長に確認しておきたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 昨年の九州北部豪雨等の災害を踏まえまして、昨年12月に国が策定した、「中小河川緊急治水対策プロジェクト」では、人家や要配慮者利用施設が近くにあるなど、水位把握が必要な中小河川において、新たに低コストの水位計、いわゆる「危機管理型水位計」を全国約5,800カ所に設置し、近隣住民の避難を支援することとしております。本県では、既に設置している水位計131カ所に加え、45河川67カ所に設置していく予定であり、これまで、国と自治体で構成する運用協議会に参加し、機器の検討を進めるとともに、現在、地元市町村と設置箇所の調整を進めているところであります。今後、近年の出水状況などを踏まえ、緊急性の高い箇所から順次設置してまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) よろしくお願いしておきます。 それでは、設置された低コストの水位計をどのように活用していくのか、同じく県土整備部長に確認をしたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 危機管理型水位計は、これまで水位計がなかった河川や、洪水氾濫のおそれが高い箇所などに追加して設置することとしており、現在設置されている水位計とあわせ、県内河川の水位観測網の拡大・充実が図られると考えております。危機管理型水位計の水位は、国が運営する情報システムに集約され、インターネットを通して、市町村や住民に情報提供される仕組みとなっていることから、住民が、出水時の河川水位の上昇を素早く把握することで、迅速な避難行動に活用できるものと考えております。 ◆(新見昌安議員) 危機管理型水位計というんですね、大いに期待したいと思います。 災害への対応、最後になりますが、平成27年9月議会において私は、被災地や事故現場に派遣される災害派遣福祉チーム、いわゆるDCATを設置すべきと提案しました。災害派遣医療チーム、DMATの福祉版であります。その後、全国的にこのDCATを整備する都道府県がふえております。その中の一つ、埼玉県が全国の都道府県に対して独自に行った調査によれば、昨年10月末時点で、DCATを「整備済み」の自治体は15道府県、「検討中」の自治体は13都県あったそうであります。本県でも設置すべきとの思いをさらに強くしているところでありますが、福祉保健部長に見解を伺います。 ◎福祉保健部長(川野美奈子君) 災害時においては、高齢者や障がい者など配慮が必要な方のニーズに的確に対応することが大変重要であるため、これまで県では、福祉避難所の拡充や、福祉施設等の相互応援の体制づくり等に取り組んできたところでありますが、県外への派遣も想定した、いわゆるDCATにつきましては、法令上の根拠や設置基準が不明確であることなどから、いまだ設置には至っておりません。 このような中、先月末、厚生労働省から、「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」が新たに発出され、DCATの構成員や活動内容、派遣調整の方法等について、統一した指針が示されたところでございます。今後は、このガイドラインをもとに、過去の災害対応の事例も研究しながら、DCATを含む災害時の支援体制の構築に向けて、関係団体や市町村等と意見交換を重ねてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 有意義な意見交換を行っていただいて、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。 最後になりますが、県民の声からということで、3点届けておきたいと思います。 まず、宮崎市木花にある県総合運動公園内の体育館でソフトテニスをしている高齢者グループのメンバーの一人からの要望であります。 ここを使用する際には、使用料とは別に照明代も取られるということであります。「健康維持のために運動しているのに、1時間770円の照明代は、年金生活者にとっては正直痛い。午前中だけの使用だけど、雨が降ってよほど暗くない限り我慢している。照明代は取らないか、それが無理なら少し安くならないかしら」という、つましい訴えでございました。調べてみると、県の都市公園条例では、「県総合運動公園内の有料公園施設を使用する者は、使用料を納付しなければならない」とあります。料金表には使用料金の一部として、体育館の照明料金も確かに記載されております。使用料金は、「個人使用」と「団体使用」に分けてあり、さらにそれぞれ「児童生徒」と「一般」に分けてあり、「児童生徒」は「一般」の半額になっております。 考えてみますと、今の世の中、さまざまな場面で高齢者を優遇するシステムができ上がっております。公共交通機関しかり、シネマコンプレックスにおいては、60歳以上から優遇されておりまして、私もその恩恵にあずかっております。健康維持のために有料公園施設を利用する高齢者向けの、新たな料金区分を設定すべきではないかと考えますけれども、県土整備部長、いかがでしょうか。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県総合運動公園の体育館の照明料及び使用料につきましては、都市公園条例に定めており、照明料は、使用者の区分にかかわらず、一律の料金としております。また、使用料は、「児童生徒」と「その他の者」の2つに区分して設定しております。お尋ねの「高齢者」向けの料金設定につきましては、高齢者の生きがい・健康づくりを踏まえ、他県の取り組みを調査研究してまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) 県においては、本年3月、2025年を見据えた高齢者施策の方向性を示す新たな計画としての「高齢者保健福祉計画」を策定しておられますけれども、その33ページ、生涯スポーツのページには、「現況」として、「スポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を実現することが求められています」とあり、「基本的方向」として、「高齢者が生きがいを感じながら運動やスポーツに取り組める環境を整えます」とあります。「目指せ!健康長寿日本一」というスローガンのもと、「健康寿命男女とも日本一」との目標を掲げて、知事を先頭に突き進もうとしている宮崎県であります。他県じゃなくて、県土整備部、福祉保健部、教育委員会、関係部局、真剣に検討していただくことを強く要望しておきたいと思います。 次に、本県の歴史ある観光地でもあります県立平和台公園に関して伺います。 高校時代の同級生から、「一度、平和の塔を見てくれよ」という強い要望を受けまして、先般、一緒に見に行きました。本当に愕然としました。塔本体、そして四方に置かれた四神像に雑木が生い茂っておりました。1~2カ所という生易しいものではありません。「観光立県みやざき」を標榜する本県の代表的な観光地の一つでもある県立平和台公園の象徴がこれでは、「観光みやざき」の名折れであります。特に四神像は信楽焼であります。雑木が成長すると割れてしまう危険性もあります。至急、対策を講ずべきと考えますが、県土整備部長、いかがでしょうか。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 県立平和台公園は、平和の塔を中心に、レクリエーション施設や自然と触れ合うための施設も整備され、広く県民の憩いの場として親しまれており、本県を代表する観光地となっております。このような中、平和の塔に茂った雑草や雑木につきましては、良好な景観の保全や施設維持の観点から、状況を見ながら除去しているところであり、今年度は既に予算を確保し、速やかに作業することとしております。今後とも引き続き、多くの方々が平和の塔を訪れ、気持ちよく利用していただけるよう、努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) ありがとうございます。よろしくお願いしておきます。 引き続き県立平和台公園に関してでありますが、同日、公園のはにわ園内を散策する中で、あれっと思ったのが、観光案内板でありました。日本語、英語、そして韓国語のみでありました。「はにわ館」の案内も同様でありました。観光地では多言語表示が今、常識となっております。こういった中で、中国語は繁体字、簡体字ともありませんでした。これはいかがなものかと思った次第であります。県の考えを県土整備部長に伺いたいと思います。 ◎県土整備部長瀬戸長秀美君) 平和台公園の案内板につきましては、これまで日本語、英語、韓国語について記載しておりましたが、昨年度から、中国語の簡体字と繁体字を記載した案内板に取りかえているところであります。昨年度は、平和の塔前広場に設置していた平和台公園総合案内板を取りかえており、今年度は、はにわ園周辺の案内板を取りかえることにしております。来年度以降も順次、計画的に中国語を加えた多言語化を図ることにより、海外から訪れる多くの観光客へのおもてなし環境の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆(新見昌安議員) ありがとうございます。一安心でございます。 以上で私の質問の全てを終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(外山衛) 以上で本日の質問は終わりました。 あすの本会議は、午前10時から、本日に引き続き一般質問であります。 本日はこれで散会いたします。   午後2時48分散会...